一枚の図面から

2019年5月29日 (水)

一枚の図面から 50-15 機関車編 9600 改造編 4

9600、少数派、試験的なものの続き。

3、重見式給水加熱器
大煙管を使用した簡易方式の給水加熱器で、
C10や11の初期に装備されていたものが有名ですが、この装置も9600で試験したようです。
6844968519341117l
この装置は9600用は無く、明細図のC10の図だけです。
1940-p62l
1940-p63l
詳細
1940-p64l

この方式は、インジェクタを使うのですが、高温の湯はインジェクタの効きが悪いそうで、性能はあまりよくなかったそうです。

4、給水加熱器、本省式の初期の例
一般的なものは以前に紹介しましたが、初期には別のものがありました。
5794962634
1927-p390l
1927-p391l
9900の初期の写真で見たことがあるかと思いますが、後の物とは違うタイプの給水ポンプが特徴的です。

給水加熱器、だいぶ小型です
1927-p388-l 
給水ポンプ
1927-p389l
このタイプは以上ですが、どの項に入れるか迷った、一般型のウェア式給水ポンプの取付図です。
9600-143-p136

この項の最後に、給水加熱器のほかの例を。
19650328_1-08-19697-l
次回は、いよいよ最後、大陸へ渡った広軌(標準軌)改造です。

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一枚の図面から 50-14 機関車編 9600 改造編 3

9600の改造の続き。
今回は、比較的両数が少ないものや、試験的なものを紹介します。

1、住山式給水加熱器
C51では比較的有名な過熱器ですが、9600や8620にも存在します。
先ずは写真から。
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名称図解の略図、2種類あります
1927-p392l
1927-p393l
1927-p395l
煙突の後ろの分油器と通水加減器
1927-p394l
明細図です。
9600-151-p144
2、細管式給水加熱器
C50で正式採用になった物ですが、9600で試験したようです。  
写真で確認できるものは1枚だけ見つかりました
706596072l 
炭水車前方下部に点検ふたがあるのがこの方式の特徴ですが、点検ふたが無いものも有ります。
名称図解の略図、点検ふたがあるタイプ。
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1940-p57l
温め器本体の詳細
1940-p58l
明細図、点検ふたがあるタイプ
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点検ふたがないタイプ
9600-150-p143l
今回はここまでとします。

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2019年1月13日 (日)

一枚の図面から 50-13 機関車編 9600 改造編 2

9600の改造の続き。

空制に伴い、運転室に大きいブレーキ弁が追加になったために手狭になったようで、この9600(2次以降)をはじめとして、C51もD50も運転室後妻を斜めから普通に直角にして、さらに後ろにずらして延長しています。
再掲ですが、改造前
9600_121_p114_2
後妻板が斜めになっていますが、2次型は側板の長さはそのままで後妻板が直角なのでさらに狭いものとなっています。

改造図
9600_122_p115_2
側板後部の縦帯でリベットが2本並んでいるところで継いでいますね。
側板の長さ1460は元の長さで、その後ろの205が延長分ですね。
窓は1168.4mmだったのを1354mmに広げています、寸法のアンダーラインは図のスケールとは違っていると言う事です。
延長とは別の理由ですが元の天窓の後ろに、天井クレーン等による吊り上げ時にワイヤを通すための釣上天窓が追加になっています。リフティングジャッキだけではなく大きいクレーン設備の装備による変化ですね。
図面の日付が消されているのですが、大体昭和11年ごろには大方の改造が終了したようです。
運転室床板の改造図です。
9600_123_p116
改造間がない頃
7855968319340600_2

時代の趨勢での改造
電灯設備です。
La6073_9600_166_p159
速度計装置
9600_164_p157
これらの改造を経て、一般に見られる9600になりました。

今回はここまで、次回は少数の物や試験的な改造を紹介します。

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2019年1月 8日 (火)

一枚の図面から 50-12 機関車編 9600 改造編 1

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

このところの多忙で、9600も年をまたいでしまいましたが、もう少しで完結です。

鉄道院での9600の新製は1926年に終了しましたが、時代は製造時からどんどん進み、大正14年の自連取替、空制化のような大きいものを始めとして給水加熱方式の実験など、色々な改造が施されてきました。今回はそれらに少し触れたいと思います。

先ずは、大正14年の自動連結器の一斉取替に伴う改造です。
9600_082_p075
当初の簡易な解放テコの自連交換の準備図です。
この図ではバッファとフックは元のままで、実際の交換時にはバッファを撤去し、中央の連結器を交換するだけです。
連結器改造に伴い、真空ブレーキ管が直立タイプから端バリ下部取付に変更されました。

使用例です(新製のもの)。
準備工事
97879626

自連後

86979669_2

大正14年11月24日からこの図に変わります。
9600_081_p074
解放テコが左右から操作できるものになり、真空ホースの受けの位置が変わりました。

このタイプはいくらでもあるので、写真は省略します。

空制化
前回の新造時からの空制図によって改造したものや、各工場独自で改造したものなど多種多様になっていますが、ここでは図面が有るものを挙げていきます。

配管図
La30029_9600_115_p108
La30030_9600_116_p109
図面集にあるのはこのタイプだけ。
意外と、変形機と呼ばれるこのタイプが標準なのかもしれません。

ランニングボード
La30031_9600_071_p064
La30037_9600_073_p066
Lb31114_9600_074_p067
タンク受け
9600_080_p073
煙室横の蒸気管被い
Lb31111_9600_087_p080
参考写真です。
370800_96002253

76960319360310

82269620

給水加熱器を装備したため、変形しています。

95679616_1

95679616_2

95879618

今回はここまでです。

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2018年10月17日 (水)

一枚の図面から 50-11 機関車編 9600 69666-79669

9600、国内最後のグループは、1923年(大正12年)製、D50の製造が始まる年ですが、この増備から空気ブレーキ装備になります。

いつもなら台枠からですが、今回は一番特徴的な空気配管図から。
La3037_9600_114_p107_70
もう一枚、給水ポンプ装備車の配管図。
La6052_9600_139_p132
台枠図、ランニングボード等の変更です。
La3033_9600_068_p061_70
ランニングボード
La3041_9600_070_p063_70
Lb3213_9600_072_p065
空気ダメ受け
La3043_9600_078_p071
この4枚は川崎製の物を示し、汽車会社製は空気ダメがもう少し上に付きます。

コンプレッサ受
9600_120_p113
冷却管受
9600_118_p111_1
圧縮空気が使えるようになったので、このグループからは砂撒きが空気式になりました。
砂撒装置
Lb6251_9600_162_p155
砂箱
Lb6159_9600_163_p156
このグループの最終増備の1925年製の79630-79637の一部及び1926年製の79658-79669は自連装備で出場しました。
その図面
9600_082_p075
最後にこのグループの竣工写真。
90669666

97879626

最終番号は左右
86979669_1

86979669_3
このグループは以上です。

次回は製造後の改造などです。

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2018年9月28日 (金)

一枚の図面から 50-10 機関車編 9600 49602-69665

9600も製造開始から7年経った大正8年になり、台枠が変更になりました。

変更理由は機関車のブレーキが真空ブレーキから蒸気ブレーキに変わったことによるものと思われます。

大正8年といえば18900(後のC51)が出来た年で、今回の9600の変更は18900のブレーキシステムと同調したものと思われます。

では、そのブレーキシステムから見ていきます。
9600_209_207
今回からの蒸気ブレーキシリンダ
9600_227_225
  真空ブレーキの時は、台枠の両側に真空のブレーキシリンダが付き、ブレーキテコを引き上げて制動が掛かる構造でしたが、今回の変更でブレーキテコを押し下げて作用するタイプの蒸気ブレーキになりました。

  変更理由としては、大正12年から採用される空気ブレーキとの関わりがあります。
  空気ブレーキのブレーキシリンダは、日本では全てシリンダ後部から空気を入れてピストンを押し出すことによりブレーキが作用する形なので、真空ブレーキのピストンを引いて作用するのとは逆作用になります。

  将来の空気ブレーキへの改造に際しては、従来の真空ブレーキではブレーキ軸や軸受、ブレーキシリンダの取り付け方など大幅な改造になりますが、空気ブレーキと同様のピストンを押し出すタイプの蒸気ブレーキにすれば、ブレーキ軸受等の変更がなく、部品交換と台枠の比較的簡単な改造で済むようになります、今回の台枠の変更はこれに即したものになりました。

それでは、その台枠です。原版は横長なので、左右に分割しました。
9600_196_1942_2
9600_195_1941
ランニングボードは美しい直線で、上面は網目等がないフラットな板、さらに縁取りの補強等を取り付けるリベットは上面がフラットな皿リベット。

川崎造船が主体になって製造した機関車は、D50の途中までは網目板は使わず、美しいフラットなランニングボードだったんですよ、なお、汽車会社が主体となって設計した8620は川崎造船で作っても網目板を使っています。

主台枠の板は1インチ(25.4mm)です、9600の特徴的なフロントデッキに円弧状に出ている板は、この台枠が出ているのがこの図で分かりますね。

今回の変更では、台枠後部のブレーキ軸の軸受とブレーキシリンダ取付関係が大きく変わっています。

図面はあと一枚、管装置です。
9600_238_2351_stitch_50
管装置は組立図の代わりにもなりうるほどの情報量がありますね。
真空ブレーキタイプの最後の配管です。

最後に原形写真を少し。
76659664

81669614

84469642

この3枚の写真のナンバープレートは全部エッチングですねぇ、この頃の流行りなのでしょうか。

次回は国鉄最後のグループです。

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2018年9月12日 (水)

一枚の図面から 50-9 機関車編 9600 19683-29637,29653-49601

9600、次のグループは19683-29637,29653-49601です。
1918年の汽車会社製から始まりました。
29638-29652が飛んでますが、これらは同年小倉工場で作られたグループで、前グループの仕様で製造されました。
このグループからの変更点はわずかなんですが、運転室の窓が、二枚から一体の大きいものに変更されています。
 
運転室の図面です。
9600_121_p114_2
窓以外は変更が無いようで、後部妻板は傾斜していますね。
このグループの途中39613から自連への交換の準備が始まり、フックの取付部が変更されました。
9600_176_175_39613
フックの周りの幅368mm、高さ203mmの間隔の1-1/4”の4本の穴が自連の取付穴です。
これ以前の自連を考慮しない図がこれ。
9600_175_174
比べてみるのも面白いですね。
このグループの追加図面はこれだけで、次のグループから蒸気ブレーキに変わります。
汽車会社の公式写真です。
撮影した状態
75247_19686l
修正したもの
P8_19686l
 
もう1枚
36039614l
このシリーズはここまでです。
次のグループから、台枠が変わります。

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2018年9月 8日 (土)

一枚の図面から 50-8 機関車編 9600 9658-19682,29638-29652.

9658~19682,29638~29652のグループの続きです。
管装置
9600_236_234
制動装置

9600_208_206

手用制動装置
9600_207_205_2
一見制動装置と同じように見えますが、ブレーキテコが違うタイプとなっていますね。

灰箱
9600_033_031
汽笛座
9600_088_088
当初の火室左側面取付のもの

このグループの図面はこれだけです。
続いて写真を少し
小倉工場製29652
152965234

戦前のもの
3181962819370405

昭和24年
217968019491200_1
同じ機関車
217968019491200_2

このシリーズはここまでです。

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2018年5月26日 (土)

一枚の図面から 50-7 機関車編 9600 9658-19682,29638-29652.

  9600、今回からは本格的に大量に量産が始まったグループ9658~19682と少し飛んで29638~29652のグループを見ていきましょう。
製造は大正4年から7年で、15両の小倉工場を除き全部川崎造船製です。
 
先ずは組立図
9600_001
  一見前回のグループと似ていますが、外観上の大きな変更点、運転室をご覧ください、
後ろの妻板が平面で斜めになっているのがお判りでしょうか。
運転室は一旦最初のグループから大幅に縮小されましたが、すこし小さくしすぎたようで、今回のグループからは側板はそのままで後ろの妻板を斜めにして後部に広げた格好です。
  側板を延長しなかったのは、設計上の最急カーブで炭水車の側板前端との間隔に余裕がなかったせいで、機関車全長を切り詰めた影響が出ています。
後に空気ブレーキを装備した時にブレーキ弁のせいで狭くなって、運転室を後ろに延長しましたが、その時は機関車と炭水車の間の連結棒を延長して対処しました。
  番号が飛んでいる29638~29652は小倉工場製で、製造年はこのグループと同じです。
 
その運転室
9600_257_253_2
側窓は小窓が2つ、縁取りは直径38.1mmの半丸、屋根に断熱のための段差があります。
 
次はボイラ
9600_006_004
安全弁カバー等古い状態で書かれている部分もありますが、9688号以降の図です。
9658号から大煙管が21本から22本になり、過熱量が増大されました。
 
次は煙室
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9658号以降の図です。シリンダから排気のブラストノズルが改善されています。
 
蒸気ドーム
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図面は9698号以降です。
 
火室のクロスステー
9600_014_012
これのカバーが火室の横に出ていて目立ちますね。
 
久しぶりに再開したので、今回はこれ位にしておきます。

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2018年3月10日 (土)

一枚の図面から 50-6 機関車編 9600 9618-9657

9600の続き。

今回は、京都鉄道博物館に保存されている9633の写真を掲載します。

自分用として部分の記録の撮影なので、綺麗な写真はありませんのでご容赦ください。

いつもの状態
96330
時々外に出ますが、この時は近寄れない
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96333

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このアングルが好きです。
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ランニングボードは普通の鉄板で、補強のアングルは皿リベットなので上面はつるっとしています。
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シリンダ後部
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クロスヘッド周り
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台枠後部
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フロントデッキ、外側の板は、バルブスピンドルのメンテナンスのために、外れるようにボルト止め。真ん中の丸い物は先台車の復元装置のカバー
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炭水車は通常タイプ、側板は後上部以外は新製でリベットはでたらめ。
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昔の写真は掲載できるものがないので、このタイプはここまでです。










































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