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2018年2月10日 (土)

一枚の図面から 50-4 機関車編 9600 9618-9657

9600、今回からは最初のマイナーチェンジの9618~9657を見ていきましょう。

今回は上周りの図面です。

組立図
410_1dh2_9600_012_stitch_50
このシリーズは全体から見れば少数派の40両ですが、機芸出版の蒸気機関車スタイルブックの図はこの図をトレースしたものです。

先ず目につくのは、運転室が小さくなって裾が乙型になった事ですね。
この運転室については、9600では初めて新製から後ろの妻板が付きましたが、通常の形です。

それでは、明細図の順に図面を紹介していきます、非常に古くて変色がひどい状態だったので、ちょっと見難いものですが、貴重な図面と言う事でご容赦ください。

煙室戸
9600_018_016
9618以降の図です。
後の機関車では、煙室戸の周りの内側にアスベストのリングがあって、そこで気密が保てるのですが、この図面ではそれが無いので気密を保つために、周りにクリートを付けています。

煙突
9600_050_048
9600~9651は前回紹介したものですが、9652から通風改善で2インチ太くなりました。

自動器
9600_067_066
自動器は初期の過熱式ボイラの煙室に付いていたもので、次の図の風戸を開閉するために蒸気で作用するシリンダです。

過熱器風戸装置
9600_063_062
この図は9658からの物ですが、説明のためにここに入れます。
右側は、煙室を前から見たもので、左の「A」に自動器のクロスヘッドが付きます。
レギュレータを引いていない状態ではこの図の状態で、「D」は「E」のウェイトのために上に上がってフタが閉じていて、大煙管は閉ざされて過熱管が加熱されません。(「E」の腕にも「D」が書かれていますが、ここでの「D」は下のフタを指します)
力行時に自動器に蒸気が入ると「A」の上部が後方に動き、「I」を動かして「D」を回転させてフタが開いて過熱管が加熱されます。

自動器運転装置
9600_068_067
自動器の動きを手動にするものです。

これらの過熱加減装置は後に廃止され、常に過熱が行われるようになりました。

ボイラケーシング
9600_069_069
ボイラケーシングの板厚は1/16”、1.6mmですね、全体の大きさを考えるとペラペラと言っていい薄さですね。
ボイラバンドは、2”x1/16”、幅50.8mmで厚さが1.6mmです、写真ではボイラバンドがほとんど見えないのがうなずけます。

砂箱
9600_092_093
空気が無いので、砂撒きは手動式です。

このグループの運転室やその他の図面はありません。

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