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2016年7月

2016年7月29日 (金)

蒸気機関車を作ろう。川崎25t Cタンクを作る 3

  川崎25t Cタンク、前回は簡単に書きましたが、工具のことをちょっと。
私のような者が工具云々を言うのは本当に僭越なんですが、
私なりに持論を展開し、初めて自作をされる方々の参考にでもなれば良いなぁと思います。
 
  鉄道模型を作られる人はほとんど自己流だと思います。ですから私のことを書いてもこれが一番ということではなく、それぞれの方が自分で考えて頂ければと思います。
 
まずは、おすすめの本
1
 
  一番右は鉄道模型の工作法の解説書ですが、著者の個性はあるものの無難な工作法がまとめられています。
  左の2冊は、私も親しくして頂いている平野和幸さんが著作されたもので、中央の「蒸機を作る」には工作法もあり、蒸機を自作される方々のバイブルとも言えるものですね。
いずれの本も絶版になってしまっているのは本当に残念です。
  古書やネットオークション等で入手できるなら一読をお勧めいたします。
最初に書いたように、人それぞれ自己流で、私自身これらの本に書かれているやり方とは違っているのですが、ここではとりあえず私のやり方としてご覧ください。
 
  一応真鍮製のキットの製作経験があるものとしますので、半田付け等の工具は省略します。
最初はケガキ作業工具
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金属工作の最初は、板にケガく事から始まります。
具体的な使い方は今後に書いていきますが、今回は物の紹介をします。
 
手前から
1、ケガキ針  何でも良いのですが、先端が硬くて、ピンピンに尖っているものを購入してください、尖っていなけかったり摩耗して来たらダイヤモンドヤスリ等で研いでください。
 
2、スコヤ(直角定規)  台付スコヤという、片方が角材になっているものが使いやすいです。
  下側の物はJIS1級だったと思いますが、上側の安いものでもそれなりに精度が出ているので問題なく使えます。
 
3、金属スケール  100均でも販売していますが、安いものですので、これだけは良いものを購入されることをお勧めします。
細い150mmと太い300mmの各1本あれば良いと思います。
 
4、ノギス  昔はメモリを読むものでしたが、最近はデジタルが主流で、安価なものも出回っていますね。
デジタルノギスは樹脂製の物や最小読み取り単位が0.1の物もありますが、必ずステンレス製で、最小単位は0.01mmの物を購入してください。
  安物では原点に戻した場合に0.02mm程度の誤差があるものも散見しますが、手作りのレベルではこの程度の誤差は問題ないと思います。
  ノギスは、平行線をケガくのに非常に重宝します。
一般の工場では定盤とハイトゲージを使うのが常道ですが、昔大阪の福原金属の親父さんに教えてもらった方法として、ノギスでケガくために、刃先を尖らせます。
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左側の刃の先端が尖っているのがわかるでしょうか?
  私は40年も使っている物ですので大分短くなりました。
使い方は後程。
 
5、マイクロメータ  これはちょっと贅沢に感じるかと思いますが、ドリル径の確認や軸の嵌めあい等、私はよく使います。
  本来は高価なものですが、ヤフオク等で非常に安く手に入れることができますね。
0-25mmの物だけで良いです。
 
次は切断、切り抜き工具
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手前から
1、糸鋸  糸鋸は柄(ツル)と刃が別物で、刃をねじで締め付ける物です。
柄は高級品から普及品まで各種が販売されています、高級品を購入されるに越したことはありませんが、私は刃のサイズ毎に何本も持っていますので、この写真の物は、かつて売られていた教育用教材の物で非常に安価でした。
  高級品は持ち手から刃までが強靭で、直線が出ていますが、安物はその辺りがちょっと精度が悪いものが見られますが、私は写真の方法で精度を出します。
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  柄の前後の刃を止めるねじで150mmのスケールを締め付けて、前後のねじ部が平行になるように柄を曲げて修正して、持ち手とも直線を出します。
ここさえ直線が出れば、直線切りで曲がることもなく、高級品と同じように使えます。
  糸鋸の刃は、切るのが大変でトラウマになる場合があるようですが、国産の刃は切れ味が悪く、真っすぐに切れないなど、基本的にダメで、世界レベルの刃が普通に出回っています。
  私がよく使うのは、スイス製のバローベというメーカーのもので、スイスの時計職人が使っていると噂の物です。
バローベの他にアンチロープというメーカーもあり、その2社以外の刃はお勧めできません。
ホームセンターでは扱っていないと思いますが、大きめのホビーショップや彫金関係を扱う店で普通に購入できます、通販も便利ですね。
刃には刃の大きさで番号分けがあり、刃が大きい方から#8~#8/0まであると思います。
私の模型では#1、#3/0、#5/0程度を揃えれば良いかと思いますが、切る板が薄いほど細かい刃の物を使いますが、大きい刃でもやり方次第で切ることも可能です。
  刃が細かくなれば細くなり、刃が折れやすくなりますので、その辺りは個人差がありますが、私は細い刃を使うのが好きですね。
 
2、ヤスリ類  組ヤスリと呼ばれる、細いヤスリをメインに使いますが、別にセット物を購入する必要はありません。
  基本的に「油目」と呼ばれる、最も細かい目の物を使います。
最も使うのは、平ヤスリで、厚さが薄いもので幅を何種類かあると便利です。
  最近安く売られているダイヤモンドヤスリも結構ですが、最終的に平面が出ないので、金属の物をお勧めします。
大きな平ヤスリも1本あれば便利です。細目が良いですね。
写真にありませんが、耐水ペーパーも仕上げに使うと綺麗に仕上がるので、各種揃えられると良いかと思います。
 
3、金床  私の工作のベースですが、全然使わない人も居られますね。
 
万力
5
 
これは私のですが、金床と一体化したものもありますね。
 
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最後は穴あけ工具等
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  左はドリル刃、0.2mmから1.6mmの20本組で2000円くらいで売っている物ですが、これでも問題なく使えます。単独で購入する場合は、0.3、0.4、0.5、0.6、0.8、1.0、1.1、1.4、1.5、1.6、2.0くらいはよく使います。材料にステンレスを使う場合は、NACHI製をお勧めします。
 
その上はタップ、M1.0、M1.4、M2.0の3種あれば事足ります。3本組ではなく、2番タップだけで結構です。 ダイスも使うことがありますが、今回の作業で使うかどうかわかりません。
 
右はキット製作にも使う物ですが、
下から、
キサゲ  子供の頃から使っているもので、折れた平ヤスリを片刃に研いだものです。
私はこのタイプだけしか使っていないんです。
 
キサゲ刷毛  マッハ模型発売の物ですが、大発明ですね。これの一番細い0.06mmを使っています。
 
ピンバイス  私はほとんどの穴あけはボール盤を使うのですが、穴あけにもたまに使いますが、細い物の保持にも非常に便利です。
 
  Pカッター  「カキ」と呼ばれていた刃物で、昔は弓のこの刃を研いで作っていましたが、近年は製品がありますね。私は刃を研いで、角度を鋭くしています。
 
  ピンセットはこの2種がメインです。上の物は医療用を譲って頂いたものですが、本当に使いやすい物です、最近はタミヤが似たものを発売していますね。
 
  手作業の工具はこんなものでしょうか。
要するにそれほど高級品をそろえなくても良いと言いたいわけですが、もちろん高級品はそれなりの良さがあります。
 
  ルーター、ボール盤、フライス盤、旋盤等、各種機械は有れば非常に便利です。
無くても作れますので、余裕があれば左から順に揃えられるのが良いかと思います。
例によって、プロクソン等のお求めやすい物でも結構かと思います。
 
 
 

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2016年7月19日 (火)

蒸気機関車を作ろう。川崎25t Cタンクを作る 2

  川崎25t Cタンク、全体の設計を進めています。
まず、仕様ですが、スケ-ルは1/80、ゲージは16.5mm。
11.5~12の動輪が3軸有ることが前提になります。
形態は、川崎製鉄千葉NUS7を基本として作図します。
その他の同系の機関車の場合は前回までの組立図や写真等を元にバリエーションをお楽しみください。
 
  今回は、蒸機キット製作程度の経験で、真鍮板の糸鋸での切断等の加工が初めての方にでも製作が可能な物として進めますので、すべての部品を図面で書いて、その通り切り抜けば(折り曲げ等も存在する)キットの状態まで出来るものとします。
 
  使用工具として、万力、糸鋸、ヤスリ各種、ドリルと穴あけ工具(ピンバイスも可)、M1.0、1.4、2.0のタップ等を基本とします。
フライス盤は使わない工作とします。旋盤は有れば楽ですが、無ければドリルレースも可能、寸法的に厳しいものは、希望があれば、私が作って配布します。
 
  出来る限り市販部品を使いますが、私の商品知識に限りがありますので、ご意見をお願いします。
  駆動装置は、現在手に入る唯一のだるまや製のモジュール0.25の物を使います。
私の標準仕様である、クラッチ付きで軸箱はボールベアリング使用を基準としますが、一応クラッチなしの仕様も提示します。
 
それでは、模型の構造図です。図面はA4で印刷すれば原寸大になります。
25_2l
私の標準仕様、クラッチ付きのギヤーボックス、動輪押さえ板なしです。
一般的なクラッチなしのギヤーボックス仕様
25_1bl
動輪は軸箱無しとして、ギヤーはだるまや製に交換が必要です。
 
そして、最も簡単なギヤーボックス、ギヤーは基本的に動輪付属の物、鉄道模型社の動輪の例です。
25_1al
右は各種動輪で、私が持っているものですが、このブログで作ろうと思われる方、お持ちの動輪を連絡していただけましたら、それによる設計変更も致します。
以下、私の設計は、動輪の図の一番上から3つ目まで、車軸の径が3mmの物として進めます。
下の2段のエコーとミニチュアスケール製は、車軸が2.4mmで、使えるベアリングが無いので、付属の軸箱を使うか、φ3mmの車軸に交換して使うことになります。
 
  基本構造、蒸機で大きな構造上の問題は、上下をどこで分割するか、ランニングボードを上か下かどちらに付けるかというのが意外に難しいのですが、この機関車はこのように分割します。
25_3l
台枠回り
25_4l
  3点支持のイコライザ、動輪押さえ板を使わないで動輪を止める機構、見えない集電ブラシ等、私の標準的な機構です。
 
そして、クラッチ付きのギヤーボックスです。
25_5l
違うタイプは、詳細設計を進めていませんが、もし希望がありましたら、動輪や軸箱の仕様も含めて設計いたします。
 
  私としては、それほど変わらないので、この機構で作られるのが良いかと思いますがねぇ。
 
  下周りの基本的な設計が出来ましたので、各部品の詳細図を書いていこうかと思います。
上周りも同時に進めようと思いますが、私流で、下周りを先に進めていこうかと思っています。
このブログの記事で作ろうと思われる方で、動輪がこの仕様ではないものを使用される方は、欄外右の下の方に「メール送信」というバナーがありますので、そこから個人的にご連絡ください。
もちろんご意見等、当ブログのコメントや、上記のメールからご連絡いただけたらと思います。
  前にも書いたかもしれませんが、蒸機の自作は真鍮で普通に電車等を作るような長い物をきれいなカーブで曲げるというような難しい作業はなく、一部に精度を出す部品があるという事くらいで、それも作りながら微調整が可能なので、世間で思われるほど難しいものではありません。
蒸機に興味ある方、これを機に一度チャレンジされてはいかがでしょうか。
 
 
 

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2016年7月13日 (水)

蒸気機関車を作ろう。川崎25t Cタンクを作る 1

今回から、模型編です。
今回は1/80、16番ゲージで作ろうと思います。
 
実物図面のCAD化を終えて、それを1/80にするのですが、誤差を減らすために主要寸法を丸めて、板厚等の都合を踏まえて模型化図面にします。
模型の組立図です。
25_180_2
拡大図
25_180_1
全長77mm
掌に収まってしまうちっちゃい機関車です。
25_180_2
25_180_3
シリンダ中心距離は23.6、シリンダパーツはエコー製を使います。車体幅はスケール(カッコ内)より1mm広くなってしまいましたが、見た目は我慢できる範囲かなぁと思います。
25_180_4
端バリは川鉄千葉で書いていますが、下部の連結器は省略しようと思っています。
次回から、詳細設計に掛かります。

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2016年7月 9日 (土)

一枚の図面から 49-2 機関車編 川鉄千葉 NUS7等 川崎25t

川崎車両25tCタンク、CAD化しました。
昭和24年の図面から、写真の要素も入れた、日本鋼管121号です。
25_1l
ほぼ図面どおりですが、端バリ周りのステップや解放テコ等は写真を元に変更しました。
 
追加の写真です。
19631208_2_03_121_l
 
19631208_2_05_121_l
 
次は川鉄千葉のNUS7です。
25_2l
前後の端バリ周りが大きく異なります、また、 煙室からシリンダへの配管カバーが大きく角ばっていますね。
 
こちらは、私が保存車の取材に行きましたので、大量の写真があります。
1p1020354
 
2p1020380
 
3p1020379
 
4p1020346l
 
5p1020349
 
6p1020347
 
7p1020339
 
8p1020353
 
9p1020350
 
10p1020340
 
11p1020363
 
12p1020348
 
13p1020392
 
14p1020345
 
15p1020361
 
16p1020344
 
17p1020362
 
18p1020383
 
当日は結構な雨で、機関車の周りは冠水状態で近寄れず、周りから撮っただけになってしまいました。
まだまだたくさんあるんですが、きりがないので、他にも欲しいと思われる方は、コメントかメールくださいね。
 
次から、これの模型化設計に掛かるんですが、今回、先行してfacebookで模型化図面を発表したところ、「一度作ってみたい」と言われる方が居られたので、今回の機関車は初めて糸鋸を持つ人でも作れるように、比較的簡単に作れる事を考慮して設計し、順を追って細かな部品図まで発表して、どなたでも気楽に蒸機の製作を楽しんでいただければと思っています。
 
とりあえず、動輪があることが作る条件になってしまいますが、この機関車の模型の動輪直径は11.75ですので、11.5か12程度の動輪をお持ちの方、
近年では、エコーモデルやミニチュアスケール等が発売しています、また、日光等の11.5のスポーク車輪を改造することも可能かと思いますが、私の記事は、動輪があるものとして進めていこうかと思います。
 
この際、蒸機の自作っていかがですか?

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2016年7月 6日 (水)

一枚の図面から 49-1 機関車編 川鉄千葉 NUS7等 川崎25t

前回の900とは何の脈絡もないんですが、なんだか、久しぶりに模型を作りたくなりました。

そこで、思いついたのが、2013年に実物を見に行った、川鉄千葉のNUS7号

特に有名な機関車でもなく、歴史的な価値もそれほどない機関車ですが、日本を代表する産業用機関車で、私が最も好きなスイッチャーなんです。

この機関車は川崎のスイッチャーのラインナップ、42t、35t、25t、20t、17tのうちの一つで、25tタイプです。

25tタイプは昭和12年から製造されたもので、日本鋼管107、108-110、111-113、119-121、122-125、川崎製鉄NUS3,5-7が該当します。

初期の日本鋼管向けの機関車
Cn2t_25_2

この時代の機関車は写真があります。最初の機関車日本鋼管107号
1790107l

後の川鉄千葉NUS3
25131l

2515115l

2516116_1l

そして、戦後、昭和24年の図面
25t_cn2t_s24624_up70_2
日本鋼管121号、図面通りです。
19631208_2_04_121_l

川鉄千葉のNUS7、製造当時
Nus7_3ll

図面通りなら、日本鋼管向けですねぇ。

さて、どうしましょうか。

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