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2016年1月

2016年1月28日 (木)

一枚の図面から 47 図面あれこれ

  前回のお話で、ちょっと図面の事を書いたので、今回はその図面の事についてちょっと語ってみようと思います。

  私の本業は図面書きなんですが、この仕事に手を染めるきっかけは、小学生の頃に出会った中尾豊氏のスタイルブックだったと思います。
  その後、機関車の系譜図等で精密な組立図を見るに及んで、スタイルブックが組立図から書かれたことを知りました。
  それ以降、出版物等によって図面探索の日々を過ごしたわけですが、新しい図面や資料に出会うことはまれな事だったんです。

それが一気に進捗したのが・・・・・内緒ですよ。

  さて、鉄道に限らず、工業製品として製造されるものには、例外はあるとしても一般的には図面の上で設計を進め、その結果、設計者の考えを物を作る作業者に伝えるためのコミュニケーションツールとして図面を書くわけですが、その図面は誰が見ても同じように理解できるように一定の約束事があり、現在はJISの製図規格というもので定められています。
  私などはそれに準拠して図面を書くわけですが、趣味の世界では、何十年も前の図面とか、海外の図面等を見る機会が多いわけですが、100年以上前の海外の図面でも全く問題なく読む事が出来るんです。
  そういうことで、現在の製図規格は基本的に産業革命の頃に確立した方式が元になっているんです。だから、100年前の図面でも全てが揃っていれば、今でも同じものを作る事が出来ます。

   模型を自作する場合には、機関車の系譜図等に掲載されている組立図と呼ばれる図面を元にすると思いますが、この組立図とはどういう図面でしょう。
  図面は、地図で縮尺が違うように、大きなものから小さい物まで親子関係というものがあり、実際に物を製作する図面は、親子関係の最下層にある物なんです。
  その製作図の上には、製作図で作った物を組み立てる図面があり、その図面では基本的に物は作らず、部品を配置して、組立をするためのボルト等の手配をするための図面となります。それが組立図と呼ばれるもので、その組立図で作った部品を集めてさらに大きい物を作る組立図があります。それがどんどん積み重なって、最上部にあるのが「総組立図」です。これが良く見る機関車組立図と言う事です。
  こう書いてもなかなか理解できないと思いますので、一例を紹介します。
まず最下層の製作図として、「車輪」の製作図、それに「車軸」の製作図・・・それらの組立図が「輪軸組立」、それに「バネ組立」「台車枠組立」「枕梁組立」・・・・それらの上に「台車組立」があります。それに「台枠組立」、「炭水庫組立」等が集まって「炭水車組立」となります。それに「機関車組立」が加わり「機関車総組立」という訳です。
  このようになるので、物を作るには多くの図面があり、細かい部品図等を合わせると1両の車両に数千枚もの図面が必要となります。

  1枚の図面は正面図、平面図、側面図というように、物を各方面から見た図を書いて形が把握できるようになっています。
  一例として機関車組立図では真ん中に機関車を横から見た側面図、機関車が左を向いている場合は、その左に高さ等をきっちり合わせた正面図、これは機関車を前から見た図になります。側面図の右には機関車を後面から見た部を書きます。側面図の上には機関車を上から見た平面図があります。それらに加えて、必要に応じて断面図等を書きます。
この考え方は一例で、日本の昔の図面や海外等では模擬に正面図を書くものも有ったりしますがちょっと見ればどういう書き方をしているのかはわかります。
一部の本等で、せっかく組立図を載せているのに、スペースの都合か側面図だけしか載せていない場合を見ることがあります。これでは切り絵細工を見ているようなもので、立体にはならず、必ず他の図も載せるべきと思います。

  国鉄では、車両の整備のために、車両が配置されている機関庫や工場等に配布するために図面を印刷した図面集を作っています。これはある程度広範囲に配置される車両の場合で、両数が少ない物や配置が限定される物などは図面集を印刷しないで、図面を一枚一枚コピーして、関係施設が所有します。もちろん本部には全部の図面の原紙とコピーが保管されるのは言うまでもなく、設計担当がそれらの図面を見て、改造等の設計をします。

  研究者としては、1両の車両に対しても、組立図1枚ではなく、出来るだけ多くの図面があれば良いわけで、上記の図面集があれば言う事なしと言う事になりますね。

  では、組立図1枚ではなぜだめなんでしょう?
  物を作るのは部品の製作図で、その上の組立図は、多少形が違っていても組み立てさえ出来れば良いと言う事です。だから、製作図に不備があって作る段階で設計変更した場合、製作図はちゃんとした形に書きますが、組み立てるだけの組立図は、細かい違いなどではいちいち変更しないことが多くあったんです。
  現在のCADでは図面の修正は至極簡単ですが、トレーシングペーパー等、扱いのデリケートな用紙に墨入れで書かれた図面は、消すのが容易ではなく、修正は必要最小限に留めるという傾向にあったんです。
  それは上位に上がるほど多くの変更が集積することになり、全体の組立図に全てが反映されると言う事自体珍しいとも言えるんです。

  そういう訳で、元が組立図しかないもので、それを元に新たに組立図を書く場合、残された製造時の写真とは異なっている部分が少なくなく、多くの矛盾に直面することになります。

本当に長々と書いてしまいましたが・・・

  前回までの機関車史研究会の出版物の巻末にある組立図は、単に元の組立図をトレースしたものではなく、そういう矛盾点を徹底的に究明して仕上げた図面なんです。

  今日現在、近藤一郎さんは、刊行予定の「ボールドウィンの機関車落穂拾い(仮題)」に載せるべく組立図を作図中です。
それがこれ、まだまだ未完です。
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  この図面ってどこかで見たことが・・・って思う方も居られるでしょう、この機関車は豆相人車鉄道から熱海鉄道に変わって初めて導入したボールドウィン製の最初のへっつい機関車で、元になるメーカーの組立図が、RMライブラリー160号、湯口徹氏著、「へっついの系譜」に出ています。
  この機関車の組立図作成にあたり、元図では寸法の矛盾や不明な線等、何度か議論したんですが、他の図の例にもれず、苦労しておられます。
  まぁ、苦労とはいえ、一枚の図面を仕上げるまでには多くの不明点や矛盾があり、それらを納得がいく形で解明できた時には達成感があり、結構楽しい作業です。
私も書きたいんですが、時間がなかなか・・・

  近藤さんは今はCADで作図されていますが、以前はマイラー紙に手書きをされていました。鉛筆で下書きし、ロットリングで墨入れします。
  金田さんは、ロットリングではなく、烏口で仕上げをされていたそうで、インクの補充や常に先端の研磨をする必要があり大変だったと想像します。
  近藤さんもそうですが、破線や一点鎖線等の交点は線で交差させるという面倒なやり方で書かれています。私も手書きの頃はそのように心がけましたが、仕事では時間を掛けられないので、なかなか実現できないものでした。
CADの時代になって、そういうことは出来なくなりましたが、図面自体はずいぶん楽に書けるようになりましたねぇ。

さて、次は何を書きましょうか。

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2016年1月24日 (日)

一冊の本 機関車史研究会の本 4

私が機関車史研究会と関わりを持ったのは、金田氏が亡くなられた後なので、ここからは多少ながら私も関係が出てきます。

金田氏が1996年に亡くなられた後、その研究を実質引き継いだのが近藤一郎氏で、金田氏以降2冊の著書を世に出しています。

その第1弾がこれ、「クラウスの機関車追録」、2000年近藤氏が在職中に苦労してまとめた書です。
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冒頭の「まえがき」によれば、氏がこの書を出すきっかけになったのは、1993年にクラウス-マッファイの本を入手したことに始まる。
  これに従来写真が無いと思われていた2060のワークスフォトがあり、発行元に問い合わせた事から関係が出来て、他の機関車の写真や図面を入手することになる。
  それを金田氏と共に研究し、金田氏は先著「クラウスの機関車」の追録を出すための準備を始めていたところが、金田氏が亡くなられ、近藤氏が後を引き継ぐ形でまとめ上げた物がこの本です。
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圧巻はこの図面
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近藤氏が手書きで6枚、メーカー図等から作成した物が折り込みで入っています。
図面屋の私から見て、金田さんのも近藤さんのも本当に時間が掛かったものと思います。
  鹿島組の3tクラスや佐野鉄道の機関車など、多くの謎の解明がなされており、非常に興味深い書と言えます。

近藤氏が次に取り組んだのは、弁慶、義経で有名なH.K.ポーター。
  金田氏が「H.K.ポーターの機関車」を発刊したのは1987年、その後、近藤氏はアメリカの研究家等のつてからの情報により、ワークスリスト、ワークスフォトに加え、日本に来たほとんどの同社製機関車の組立図を入手するに至りました。
  これは金田氏の執筆時には叶わなかったことで、これらの資料により、改めて「新編H.K.ポーターの機関車」として2011年に発刊されたのが本書です。
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組立図は9枚に及ぶ。
これは所謂「亀の甲」と呼ばれる機関車、謎の多い機関車で、従来は1両と考えられてきたが、近藤氏の研究により2両あったことが判明し、その後の変遷もかなり解明された。
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私の好きな北海道炭鉱鉄道「A」、後の国鉄4000
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この本には、「J.A.マッファイの機関車」追録と、「クラウスの機関車追録」の補遺も追加されており、マッファイの4500のワークスフォトや越後鉄道1-5号(後の国鉄1630およびア3,4)と、近江鉄道5-7号の組立図が収録されています。

これまで写真と形式図しか資料がなかったポーターの機関車の決定版と言えますが、その後新たな資料が見つかり、次著では補遺が掲載されます。

ここまでが現在までに刊行された機関車史研究会関連の著作です。

現在、金田氏の著作を含む機関車史研究会の出版物は近藤一郎氏が管理して、在庫があるものは新品を入手できます。

現在在庫があるものは
形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅰ/Ⅳ  タンク機関車 1    10,000円
形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅱ/Ⅳ  タンク機関車 2    10,000円
形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅲ/Ⅳ  テンダ機関車 1   10,000円
形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅳ/Ⅳ  テンダ機関車 2   11,000円
国鉄軽便線の機関車                                              5,000円
日本最初の機関車群                                             28,000円
正背面図入蒸気機関車形式図集 Ⅰ  タンク機関車 1  10,000円 在庫わずか
正背面図入蒸気機関車形式図集 Ⅱ  タンク機関車 2
正背面図入蒸気機関車形式図集 Ⅲ  テンダ機関車 1
正背面図入蒸気機関車形式図集 Ⅳ  テンダ機関車 2
バグナルズの機関車                                               2,000円
ネイスミス・ウィルスンの機関車                                 2,300円
ボールドウィンの小形機関車
バークレイズの機関車                                             2,500円
J.A.マッファイの機関車                                         2,700円
カー・ステュウアトの機関車                                       2,500円
クラウスの機関車                                                    4,500円
O&K(オーレンシュタイン・ウント・コッペル)の機関車
H.K.ポーターの機関車
ホーソーン・レスリイ 他の機関車                               6,500円
SLM(スイスロコ)・A.ボルジッヒの機関車の機関車   10,000円
エイヴォンサイド 他の機関車                                    7,000円
クラウスの機関車追録
新編H.K.ポーターの機関車                                       8,400円

価格があるのは在庫があるものです。全て送料は機関車史研究会が負担します。
購入はヤフオクで、出品者「henschelundsohn」で検索して頂いて購入されるのが便利ですが、ヤフオクをされてない方などは、このページの右の「メール送信」で、私にメールを頂けましたら機関車史研究会への連絡方法をお教えいたします。

在庫は、数冊の物もあり、早めのご購入をお勧めいたします。

また、金田氏の意志を引き継ぐ形で、機関車史研究会は正誤表を更新し続けております。
金田氏の刊行物も含めた正誤表はご希望の方にお送りしますので、上記のように私までメールを頂けましたら、機関車史研究会に連絡してお送りするよう取り計らいます。
印刷費、送料等400円かかります。

さて・・・・
今後の刊行予定・・・・
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昨今の鉄道ブームとは裏腹に、「研究」をする人の人口は減少傾向で、こういうジャンルの刊行物が採算ベースに乗るのは難しく・・・・

何らかの形で刊行できれば良いんですが・・・・・

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2016年1月21日 (木)

一冊の本 機関車史研究会の本 3

機関車史研究会の本のうち、金田茂裕氏の本は今回で最後とします。

金田茂裕氏の著書の真骨頂ともいえる本は、日本の鉄道史の謎に挑戦した物。

「日本最初の機関車群」は1990年に出版されました。
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  多くのメーカー竣工写真、また初公開写真、多くの組立図のトレース図面に彩られた弩級の研究書です。
  1872年の鉄道開業に向けて輸入した機関車から、1887年の1850まで、また釜石や阪堺鉄道の初期の機関車まで、非常に詳細で詳しい研究を行っています。
組立図のトレースがどれほど重要かの一例をお見せしましょう。
  7030の組立図は、金田氏がイギリスから入手した時点の組立図はこのようなものです。
Vulcan_foundry_7030_9274l
  青焼きのコピーで、全体に暗く、線も寸法も非常に見づらい物です。
これを艱難辛苦してトレース・・・というより一から製図した図面です。
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  ちゃんとしたスキャンはご容赦願いますが、これなら非常に見やすい図面で、細かい寸法までインチで換算して考えうる限り正確を期した図面となっています。

  ここまでは国鉄関係ですが、これらと並行して精力的に続けた出版はメーカー別の研究書です。
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Photo

内容の一例(ボールドウィンの小形機関車)
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これらを一覧します。
1、バグナルズの機関車 1980年
2、ネイスミス・ウィルスンの機関車 1981年
3、ボールドウィンの小形機関車 1982年
4、バークレイズの機関車 1982年
5、J.A.マッファイの機関車 1983年
6、カー・ステュウアトの機関車 1983年
7、クラウスの機関車 1983年
8、O&K(オーレンシュタイン・ウント・コッペル)の機関車 1987年
9、H.K.ポーターの機関車 1987年
10、ホーソーン・レスリイ 他の機関車 1993年
11、SLM(スイスロコの機関車 1994年
13、エイヴォンサイド 他の機関車 1995年

  どれもこれまで解説してきた書と変わらず非常に緻密な内容になっています。
特にO&K(オーレンシュタイン・ウント・コッペル)の機関車は、非常に多くて難解なコッペルの機関車を日本に来た513両すべてについて詳細に研究した決定版です。

金田茂裕氏の書は以上で、次回はその後の機関車史研究会の著作の紹介をします。

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2016年1月16日 (土)

一冊の本 機関車史研究会の本 2

金田茂裕氏は1981年に「日本蒸気機関車史  私設鉄道編Ⅰ」を出した後、メーカー別の冊子を精力的に出版しながら、大きな仕事を準備していたようです。

  皆さんは、国鉄関係で蒸気機関車は何形式あるんだろうと思ったことはありませんか?

  1981年の時点で、国鉄の蒸気機関車がどれだけあるのかが分かる資料は、
公的な資料としては、「全国機関車要覧」や国鉄の形式図は発行時点のリストがあるだけで、歴代の機関車をまとめてはいません。
百年史等の歴史書や「写真解説 機関車進歩の跡」には歴代の機関車のリストはありますが、ナローなどは無く完全ではないんです。
  研究家がまとめたものでは、臼井茂信氏が1956年に発刊した「国鉄蒸気機関車小史」が最初の国鉄の蒸気機関車の一般の全形式をまとめたものと思われます。
その後1960年に写真集「日本の蒸気機関車」が発刊されて、国鉄のナローも一部紹介されました。
その後、臼井茂信氏が1968年に「日本蒸気機関車形式図集成  1、2」を刊行し、初めて国鉄の蒸気機関車の全貌が網羅され、翌年には西尾克三郎氏の「記録写真蒸気機関車」が発行されました。
  この時点では国鉄の蒸気機関車を体系的に解説したものは実質的に「国鉄蒸気機関車小史」だけで、ほとんどの形式は写真が無く、解説も簡単なものが多くて、外観は写真集および「日本蒸気機関車形式図集成」で想像するしかないという状況だったんです。

  1981年当時、これらの書籍は市場に無く、私のような世代には全く調べようがないという状態だったんです。
  それを憂い、金田氏は国鉄の蒸気機関車を写真と外観と寸法に正確を期した形式図に諸元と詳細な解説を加えた決定版を企画しました。
それが1984年に発刊された「形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅰ/Ⅳ~Ⅳ/Ⅳ」の4冊及び、1987年の「国鉄軽便線の機関車」の5冊です。

前置きが長文になってしまいましたが、「形式別国鉄の蒸気機関車  Ⅰ/Ⅳ~Ⅳ/Ⅳ」
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私の1巻は読みすぎて表紙がかなり傷んでますねぇ。

内部
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9150のページ、右上の写真は初披露となった増備型です。
これまで、わずかな情報しかなかった機関車達がやっと日の目を見ることになりました。

「国鉄軽便線の機関車」
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内部
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形式に「ケ」が付く一般のナロー機関車に加えて「車蒸」に番号が付いた建設用に番号が付けられなかった機関車まで、資料が乏しく、記録もほとんどない機関車達を、あらゆる努力を払ってまとめあげた苦労作です。

このシリーズに書かれた形式図に前後の図を加え、添削を加えた決定版としての形式図集を1988年に発刊しました。
「正背面図入 蒸気機関車形式図集 Ⅰ~Ⅳ」です。
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内容
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各種データと大きな図面、細かな番号の書き分け、本当に凄い図面集です。
どうしても組立図等が無い機関車の模型を作る人がこの図面を元に作られています。

  金田さんはこれらの本をまとめるに当たり、海外の博物館等の保存施設を回り、多くの組立図等を入手して、それによって形式図を書かれました。
もちろん手に入らない形式も多く、それらは国鉄形式図その他と写真等を研究して非常に多くの時間を掛けて書かれたものです。

  組立図や竣工写真は、海外の博物館等に問い合わせたり海外の研究家と交流したりして多くの資料を入手したことがこれらの研究の元となりました。
  そのうちの一部を1977年鉄道史資料保存会から大版の図面集として発刊したのが「英国製蒸気機関車図面集」です。
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当時で100年以上前の芸術的な組立図が大判で印刷され、美しい竣工写真とともに、何か月も飽きもせず食い入るように見たものです。
当時17,000円は非常に高価でしたが、全く「高い」とは思いませんでした。

  さて、最初の質問の答え
国鉄の蒸気機関車の内、1067mm軌間の機関車は形式1からE10,D62まで324形式も有るんです。
  そして、ナローや鉄道院になる前に転出した2形式も含めると、全部で387形式(タイプ)にもなるんですよ。皆さんはどれくらいご存知ですか?

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2016年1月13日 (水)

一冊の本 機関車史研究会の本 1

久しぶりに「一冊の本」で何か紹介しようと思って、ふと考えると、私が日ごろ最も見てる本・・・っていうか、一応メンバーの末席に置いてくれてる(らしい)機関車史研究会がこれまでに出した本の紹介を忘れてた!

機関車史研究会は実態があるような無いような・・・ちょっとあいまいなもので、集まりも何もなくて、現在機関車史研究会の本の管理をされてる近藤一郎さんを中心に、蒸気機関車の研究をする人たちが各個に、または数人が寄って色々と情報交換等を行っています。

元々は、金田茂裕氏が研究及び出版活動を通して集まった人々の集まりを機関車史研究会とした事のようですが、金田氏も故人となり、その研究思想及び資料等を引き継いだ近藤氏が、現在も研究、出版を続けておられます。

では、まず、金田茂裕氏の出版物から紹介していきましょう。

私が持っている最も古い物は雑誌「機関車」です。
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  この雑誌は「機関車刊行会」と称する有料会員への頒布の形をとった雑誌で、金田茂(茂裕)氏がまとめあげた当時の機関車研究の水準をはるかに凌駕した物なんです。
  刊行は1948年から1953年まで、全10号、別冊2巻でした。
1993年にアテネ書房から全巻の復刻が出ましたが、私は別冊以外を持っています。
  戦争の傷がいえない時期に活版による本格的な出版は、非常に多くの困難に見舞われ、資金繰りの限界によって先細りとなってわずか10巻で廃刊になってしまいました。
  執筆陣は戦前から近年まで活躍した多くの著名な研究家が名を連ね、後に鉄道誌に寄稿した原稿の元になるような物も見られ、現在見ても一級の研究資料となっています。

その後も鉄道誌に寄稿を続けていましたが、1972年、突如として「日本蒸気機関車史  官設鉄道編」が刊行されました。
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  1972年は臼井茂信氏が「機関車の系譜図  1」を刊行した年で、硬の金田、軟の臼井の両雄並び立った時で、それ以降一気に機関車研究が大いに盛り上がるきっかけになったと思います。
  かく言う私は当時中学生、必死で小遣いを貯めて買った記憶があります。
今は、当時の物は製本がバラバラになって友人に差し上げたので、両方とも2冊目です。
トレーシングペーパーでカバーをしてるので見にくいですが、ご勘弁を。
  内容はこんな感じ
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  官設鉄道に絞った内容で、オリジナルの説明図と、後まで残る研究されつくした形式図、未発表の写真と、本当にレベルの高い研究書で、今でも問題なく一級の研究書です。
金田さんのポリシーとして、出版後のフォローもきっちりされてて、次の本が出るたびにそれまでに刊行されたものの正誤表が付きました。

その後、メーカー毎にまとめた本を刊行しましたが、「日本蒸気機関車史  官設鉄道編」に続く大冊として、「日本蒸気機関車史  私設鉄道編Ⅰ」が1981年に刊行されました。
こちらはプレスアイゼンバーンによる刊行で非常に高価で、購入にはかなりの決断が必要でした。
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内容、山陽鉄道5060の項です
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これの続編「日本蒸気機関車史  私設鉄道編Ⅱ」は執筆途中で亡くなられてしまったので、絶筆となってしまいました。
  けど、大半の原稿はできていて、残りも近藤一郎さんが書きあげているので、あと少し。

だけど、1981年時点で22000円にもなった本、今の刊行数が伸びない時勢では採算をとれるとも思えず・・・・厳しいところですね。

これらの本は発刊から年月が過ぎて、版元には無いと思われますが、古典機関車に興味がある方は、ぜひとも何らかの形で入手されることをお勧めいたします。

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2016年1月 8日 (金)

一枚の図面から 46 機関車編 9850-7

9850、最後は炭水車関係ですね。

ヒ 1 TENDER GENERAL ARRANGEMENT 炭水車組立です。
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ヒタ 1 FRONT AXLE BOX 固定軸の軸箱
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ヒタ 2 BOGIE AXLE BOX ボギー台車の軸箱
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ヒタ 3 AXLE BOX GUIDES 固定側の軸箱守
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ヒナ 2 BRAKE SHAFT, LEVER & RODS 炭水車ブレーキ部品
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ヒナ 3 BRAKE CYLINDER BRACKET ブレーキシリンダ受
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ヒナ 4 SHAFT, LEVERS AND RODS FOR HAND BRAKE 手ブレーキ部品
4
ヒナ 7 BRAKE BLOCK HANGER ブレーキシューとハンガー
7
ヒノ 1 DRAW GEAR 牽引緩衝器
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9850の図面は以上です。
鉄道史料107号記載の図面を省いたので、主要図面が少ないものとなりましたが、このブログと鉄道史料の図面を合わせると、かなり充実した図面集となります。
鉄道史料には当然入るべき重要な図面もこのブログで補完できたと思っております。

ちょっと長いシリーズでしたが、やっとマレー機関車が終わりましたので、次回はちょっと気分を変えましょうか。

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2016年1月 5日 (火)

一枚の図面から 46 機関車編 9850-6

ちょっと間が開きましたが、9850の続きです。

テ 1 FRONT FRAME ARRANGEMENT 前部台枠組立、これは鉄道史料にあるんですが、カッコいいずめんなんで・・・
左が後部、回転する中心が良くわかります。
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テ 2 REAR FRAME ARRANGEMENT 後部台枠組立、これも鉄道史料にあります。
これも左が後ろ。
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テ 6 CENTER PIN 名前は中心ピンですが、マレーのヘソとも言える図面、前部台枠の回転部の構造と、左右のリンク、これはねじれの復元に作用するようです。6_3
テ 8 CENTERING SPRING ARRANGEMENT 前部台枠モーションプレートに付く、左右の復元バネです。
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テ 9 BOILER BLACKET FOR H.P.CYLINDER 後部シリンダ中央部のボイラサドルです。
平面図は上から見たもので、左側は上から見たもの、右側は中央部から下を見たものです。
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テ 12 EXPANSION BRACKET 火室の前後で台枠に荷重を伝える板ですが、ボイラの熱膨張による変位を板のたわみでかわしながら重量を伝える構造になっています。
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ナ 1 BRAKE CYLINDER BRACKET 真空ブレーキシリンダの受です。左上はブレーキテコが下がりすぎないようにする受ですね。
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ナ 2 BRAKE SHAFT ブレーキ軸です。
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ナ 3 BRAKE SHAFT CARRIER 台枠に付くブレーキ軸の受です。
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ナ 4 BRAKE CROSS BEAM & RODS ブレーキ梁と引き棒です。
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ナ 5 BRAKE BLOCKS & HANGERS ブレーキシューとブレーキブラケット
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機関車の図面はここまでです。

次回から炭水車です。


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2016年1月 3日 (日)

あけましておめでとうございます

みなさま

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞ汽車好きクラーケンをよろしくお願いいたします。

さあ、今年は何をしましょうか。
ブログのネタ、図面はまだまだたっぷりあるので当分大丈夫ですが、
えーかげん模型もやらんとねぇ。

索引を更新しました、お暇なときにでも見て頂けたら幸いです。

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