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2015年10月

2015年10月31日 (土)

一枚の図面から 45 機関車編 9800-2

9800は、詳細図のコピーがあり、」一部抜けていますが、多くの図面があります。全部を発表すればかなりの連載になりそうですが、どうしましょう。

それは順次考えるとして、今回は組立図です。

その前に、明細図集の目次から。
9800_1
9800_2_2
9020と同様、文字順なので図面同士のつながりが無くて見難いのですが・・・。

それではリストの115番、組立図です。
9800_p115

116番
9800_p116
これから、細かい図面も載せていきますので、詳細は小図面と共に見ていきましょう。

明日は冗車会の運転会で、準備に4時まで掛かってしまいました。7時起きですのでそろそろ寝ます。

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2015年10月28日 (水)

汽車好きクラーケン 3年目

2013年10月28日に始めた汽車好きクラーケンも、今日で丸二年が経過し、3年目に突入です。

アクセス数も285,000を超え、この特殊なジャンルも意外に興味がある方が多いのに驚きます。

発足当初の、研究家の間でも初めてというセンセーショナルな資料は、さすがにあまり出ませんが、本等に出ていない写真や図面はまだまだいくらでもありますので、当分はネタが尽きることはありません。

取り上げる話題は、私の気まぐれで決めることが多いのですが、リクエストや質問等、コメントに書いて頂ければ嬉しいです。
これまでは蒸気機関車の話題ばかりの感がありますが、私自身は結構守備範囲は広いので蒸気機関車以外の話題にも広げていこうかと思っております。

また、当ブログに載せている写真や図面等はデータを軽くするためかなり画像を荒くしているため、模型を作られたり研究をされる場合等では、不便なことがあるかと思いますので、ご希望があれば、右の欄の下の方にあるメールのアイコンから連絡をお願いいたします。

当ブログは営利目的ではありませんので、メーカーによる模型化等、営利目的に使用する場合はご連絡ください。

本業がなかなか忙しくて、更新も滞りがちで、模型製作もなかなか進みませんが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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一枚の図面から 45 機関車編 9800-1

9800、1912年当時、世界に冠たるBaldwin社も、旅客機の受注は出来なかったものの、日本の大型機関車の大量輸入に目ざとく喰らいついてきました。三井物産とフレイザー商会の力の差でしょうか。

ともあれ、この機関車は1912年10,11月に18両製造されました。9750の24両より少ないですね。

では竣工写真から見ていきましょう。
384469800broadbelt_collection_l

煙突とドームの並びがちょっと・・・9750が整然と並んでいるのでちょっと気になりますねぇ。
真空ブレーキのシリンダは9750は左右に1個づつ振り分けられていますが、この機関車は右右に2個づつ並んでいます。
真空チャンバーはまるで改造車のようにランニングボードに段差を付けて取り付けています。バルブのクロスヘッドの点検等の関係で上部を空ける必要があったのでしょうか?、9750のようにもっと後ろに持って行けばこんな不細工な事にはならなかったと思うのですがねぇ。このチャンバーは右側だけのようです。
パイプ煙突、中途半端な前部デッキ、角ばった武骨なキャブ、上記の段々のランニングボード、どれをとっても9750の優美さと差がついてしまいますね。
もちろんこういう所がこの機関車の魅力と感じている人(私も含めて)が居るのも面白いところですね。

この機関車は写真が少ないのですが、私の手元にあるものを全部紹介しましょう(市販の書籍のものは除く)
まずは有名なW.Ⅰコレクション
Wi9800_70_2

山北での撮影ですね。ブレーキシリンダはこちらにも2台付いています。
後部の高圧シリンダの後ろの上部の怪しい機器は蒸気動力の動力逆転機です。ランニングボードの変な段差は、こちら側の動力逆転機に両側とも合わせた結果のようですね。
高圧シリンダ上部の蒸気管のカバーはすでに撤去されていますね、これは次の写真にはありますので、個体差のようです。
インジェクタはキャブ内に納まっています。

次は高田隆雄氏の写真。
9805_192610_4800_30

これも有名な写真ですね、1926年10月沼津機関庫での撮影です。
なんだかキャブからの管が増えてますねぇ、第6動輪の後進用の砂撒き管が撤去されています。クリーニングホールは9750同様、こちら側は2個、反対側は1個です。
上記以外、炭水車の増炭覆いの追加くらいで、意外に原型を保っていますね。

普通の写真はこれだけ、あと、私が持っている絵葉書から。
9800_1

「ドームの金色がまぶしい!!」って・・・
バッファの先端が赤ではなく、バッファビーム(端バリ)が赤で、バッファ自体は黒だと思いますよ。手彩色の絵葉書の色って信用できませんねぇ。
とはいえ、迫力のあるきれいな絵葉書です。

もう一枚
9800_2_2

第三相沢川の鉄橋でしょうか。青ナンバーって・・・・

9800の写真、他に黒岩保美著「箱根越え」や杵屋栄二著「汽車電車」等に数点ありますので、お持ちの方は参照ください。

次回から図面を紹介します。9800はかなりの部品図がありますが、分割コピー(スキャン)した物を合成するのが大変です。

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2015年10月24日 (土)

一枚の図面から 44 機関車編 9750-4

9750最後は最晩年の写真です。

撮影者不明。既に廃車状態で、インジェクタや安全弁等、一部部品が取られていますね。新鶴見でしょうか。
519659769_3

デッキの手すりが短くなっています。煙室のクリーニングホールが2つ見えます、反対側は1個だけです。
メインロッドは外されていますが、バルブギヤは前進フルギヤですね。
空制の持続時間を考えてか、空気ダメが大きいですねぇ。

次は島崎英一氏の写真、撮影日や場所等は不明です。
519669770l
相当傷んでいます。
バッファや真空ホースの受けを外した穴がそのままですねぇ。
フロントデッキのランプ掛けの内側の点検フタは何のための物でしょう?
現役の時にはあったシリンダカバーが外されていて物々しいですね。シリンダカバーは真鍮か何かだったのか、「金目の物」として盗られてしまったのかもしれません。

最後も島崎英一氏の写真、撮影日や場所等は不明です。
519519755l
このアングルの写真は貴重です。
デッキの板は網目板ではなく普通の鉄板のようですね。
手前の炭水車も9750と思われます、縁取り裏のリベットやハッチの周りのアングルとそのリベットが良くわかります。
この9755は煙突のキャップが残っています、キャップだけは下部の鉄部分と錆び方が明らかに違っていて、銅合金系の金属と言うのが分かりますね。
ランニングボードはカーブしてるのが分かります、車輛限界の関係でしょうか、フロントデッキの幅が広いので面白いですね。
横の機関車は9780、炭水車がわかる写真はこれ以外で見た事がありません。

9750はここまで。
次回は9800ですね。

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2015年10月21日 (水)

一枚の図面から 44 機関車編 9750-3

この機関車の現役時代の写真はあまりありませんが、つい最近になって光栄なことに、かの!高田隆雄氏の写真の掲載許可を頂きました。

高田隆雄氏と言えば「追憶の汽車電車」は欠かせませんが、この本に収録されていない写真もあります。

W.Ⅰコレクションに有名な写真がありますが、本以外メディアを持っていないのでそれ以外を紹介いたします。

現役時代、高田隆雄氏の写真です。1926年10月撮影、沼津機関庫の9760号
9760_192610_4800_25

空制前の美しい姿。

1929年4月、山北機関庫、空制改造後です。
9762_192904_1_3200_25

やっぱり後付は美観を損ないますねぇ。けど、これが良いという人も居るから面白い。

9762_192904_2_3200_25

9773_192904_3200_25_2

高田氏の写真、最後は山北の機関庫風景です、大きな給炭台ですねぇ。
9750_192904_4800_25

現役時代の写真はここまで。

最後の次回は廃車後の写真です。

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2015年10月18日 (日)

一枚の図面から 44 機関車編 9750-2

9750、ここから本編。

とは言っても、組立図しかなく、この組立図も書物に出てて珍しくもないんですがご容赦を。

組立図
9750_1_50
断面
9750_2_50
  後ろからの図がちょっと変形してしまいました、コピーの時に曲がってしまったようです。
過熱式なので、高圧の蒸気管が煙室下部から出て後部の高圧シリンダに行っていますが、そこ以外の蒸気のラインは9020と同じですね。

  前部台枠後部は高圧シリンダの前の中心ピンで回転しますが、前部台枠は左右のねじれは無くて、第1動輪前部に左右に渡るイコライザがあり、前部台枠で1点支持となっていて、後部台枠の左右2点と合わせて3点支持になります。

  断面図、右から2番目、両側ともボイラ支えの下はベタッとスライドだけするようになっていますね。

  バルブギヤは前後ともワルシャート式です、リタンクランクはどちらも後ろに倒れていますが、後部の高圧シリンダはピストンバルブなので内側給気、前部の低圧シリンダはスライドバルブなので外側給気と言うわけで、前進の場合のラディアスロッドは、後部は上に上がり、前部は下に下がることになりますね。模型でラディアスロッドを可動にする場合は気を付けるべきですねぇ。
バルブスピンドルガイドの受け方が前後で逆になっているのはそれと関係あるように思います。

  キャブ前のタンクは真空ブレーキのチャンバーですので、鏡板はへこんでいるはずです。
キャブ下のブレーキ軸は2本あって、真空ブレーキと手ブレーキ用に分かれていて、テコの長さが違っていますね。

では竣工写真
519469750alco_4

  さすがスケネクタディ!って感じ。格好良いですねぇ。
ランニングボードとボイラケーシングのつなぎのフサギ板が斜めになって、ボイラのテーパを表していますねぇ。
  キャブ前の配管がつながっている機器は、下図のシンプレックスと言うタイプのインジェクタのようです。
Photo



図の左側がキャブ側です。
上から蒸気が入り水はキャブ側の下から、蒸気の力で前方の管に水を送ります。あふれた水は前方下部の管へ出します。
操作は上部のレバーで蒸気を、下側のコックで水を出して行います。

次回は日本に来てからの写真を紹介します。

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2015年10月15日 (木)

一枚の図面から 44 機関車編 9750-1

9750の写真が戦前の「鐵道」誌にあったと思って、手元にある鐵道誌を漁っていたところ、件の写真の他に面白い記事を見つけましたので、本編の前にちょっと紹介しましょう。

先ずは発端の写真
78_193510_g2_9751l
「鐵道」1935年10月号。通算78号巻頭グラビアP2です。
全くの原型、W.I コレクションでは見られないローアングルの迫力のある写真ですね。
レンズのイメージサークルにはみ出す写真ですが、それでもこの写真を載せた気持ちが分かります。

同じ「鐵道」の1933年4月号にライブスティームで有名な渡邊精一氏が9750の記事を書かれています。
以下そのまま掲載いたします。
48_193304_p2021l

写真拡大
48_193304_p20
後ろは8850ですね

48_193304_p2223l

写真拡大
48_193304_p22
48_193304_p23
48_193304_p2425l

48_193304_p2627l

9764号の廃車の原因となった事故の情報があります、運転中の事故ではないので事故の記録には出てこなかったと言う事ですね、今まで廃車の理由を知りませんでした。
また、8876,8861の第二動輪のフランジが削られていたというのも新しい情報です。

大恐慌後で戦争が始まる前、ちょっと機関車が余り気味だった時代の休車情報は興味が湧きますねぇ。

「鐵道」誌はきれいな写真、当時の状況を表した記事等、現在の目から見て非常に興味をそそる内容です。いずれ発表していきたいと思っています。

次回は9750の図面ですが、やはり組立図しか出てきませんでした。

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2015年10月12日 (月)

一枚の図面から 43 機関車編 9020-4

9020詳細図の続きです。

P44、後台枠です。側枠だけです、厚さは3インチ、76.2mmですね、右が前方。
9020_44_50
P45、前台枠
9020_45_50

P68、ピストンです。右上が高圧、下が低圧です。
9020_68_50
P79、サンドドームです。給砂装置等の詳細はありませんねぇ。
9020_79_50
P81、煙室戸
9020_81_50
右が煙室戸、左下はクリーニングホールフタです、肝心のレバー部が欠けてます。

P81は煙突
9020_82_50

P89、蒸気管、蒸気ドームから下に降りている管です。
9020_89_50
右が上でドーム側、左が高圧シリンダにつながります、外径114.3mm、太いなぁ。

P91は加減弁本体
9020_91_50
図の右が前方、P34の蒸気ドームにつながっていて、ドーム内で左右に分かれて上記P89の管がつながります。

P94はピストンバルブです、高圧用ですね
9020_94_50
P98、最後は動輪
9020_98_50
スポークの断面は楕円ではなくてC53のような三角形ですね。
バランスウェイトの丸穴は鉛を流し込むための穴です。

9020の明細図はこれで終わり。
炭水車の図面から始まりましたが、面白いので、マレーを続けましょうか。
次回は9750ですが、組立図のみかな?、他に無いかちょっと探してみます。

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2015年10月 9日 (金)

一枚の図面から 43 機関車編 9020-3

9020の明細図、続きです。
P27はシリンダ部品、インターセプティングバルブです。
9020_27_50
複式機関車独特の機器ですが、起動時に大きな力を出すために、一時的に低圧側のシリンダにも高圧蒸気を送るようにするバルブです。なんだか難しいですねぇ。
各部品の作用を考えるより、取り付けられた状態から見てみましょう。

高圧シリンダの図に色を塗ったものです。

9020_25
  上の平面図で下側が前方です。
青色がインターセプティングバルブです。
  蒸気は、ボイラ上部の蒸気ドームからの生蒸気は赤色で、直接このシリンダの左右の上部へ入ります。
  平面図の左、機関車の右側の高圧蒸気は直接ピストンバルブに入りますが、図の右側、機関車の左側は、ピストンバルブに入る部屋が、図で左側に伸びて青色のインターセプティングバルブにもつながっています。最初の状態ではインターセプティングバルブはこの赤色の高圧蒸気が前方の低圧シリンダへ行くピンク色の管につながっていると思います。

メインのピストンを動かした排気はオレンジ色で、図の左側は一旦後ろに出て、Uターンしてインターセプティングバルブに入ります。
一旦後ろへ行くのはこの部分にシリンダ鋳物の継ぎ目があるためですね。後ろのUターンは資料がありませんが私の想像です。
  図の右側は、吸気部の下からインターセプティングバルブに入ります。
恐らくこの排気の力でインターセプティングバルブが動くと思われますが、高圧蒸気が前方の低圧シリンダへ行くピンク色の管に行くのを塞ぎ、オレンジ色の排気がピンク糸の管に行くように切り替わります。
  このピンクの太い管は、前方へフレキシブル部を経て二又に別れて前方シリンダ後部に入ります。

ややこしい部品が続きますが、次はP32バイパス&リリーフバルブです。
9020_32_50
左側がバイパス、ちょっと分かりにくいですが、前記インターセプティングバルブの説明図のピンク色のポートから出て、前方の低圧シリンダへ行く排気管の事です。
図の上部に球面継手があってここでフレキシブルな動きを許容するようになっています。
前方(図の下部)にも球面継手があるかと思っていましたが、後部の一か所のみですね。後部のこの部分で台車が動くので一か所のみで良いということですねぇ。

右のリリーフバルブは、蒸気系統にトラブルがあった場合に蒸気を逃がすものだと思いますが、どこに付くものかわかりません。

次のP33もリリーフバルブです、蒸気ドーム前方に付いている物かとも思いましたが・・・
9020_33_50
次のP34は蒸気ドームです。
9020_34_50
右はドーム本体、左はカバーです。

次はP41煙室内下部の吐出管のようです。
9020_41_50
下部から次の吐出管が入ると思われます。

P42は前部低圧シリンダ中央部からの吐出管です。
9020_42_50

図のままの向きで、右がシリンダ側、左が煙室で、上記吐出管につながると思います。
両端が球面継手になっていて、ボルトで締付力を調整するようになっています。

今回はここまでとします。

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2015年10月 7日 (水)

一枚の図面から 43 機関車編 9020-2

引き続き、9020の明細図を紹介いたします。

残念ながら、1-B+Bに改造後の図面は無く、原型の状態です。
9750の詳細図は持っていないので、この図面が参考になるかと思います。

それでは組立図から。
9020_38_1_50
9020_39_2_50
9020_40_3_50
明細図集の目録です。
図面は完全ではなく、何枚も抜けがあります、また、ページの半分だけのものも有ります。
9020_1_50
アルファベット順なのでちょっと探しにくいですねぇ。

では、詳細図に入ります。
P4、ボイラ
9020_4_50
P5、ボイラ詳細、ステイですね、この図面は半分のみです。
9020_5_50
P13キャブです。
9020_13_50
P24クロスヘッド
9020_24_50
P25シリンダ、後部の高圧側です
9020_25_50
P26シリンダ、前部の低圧側です。
9020_26_50
今回はここまでとしましょう。

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2015年10月 5日 (月)

一枚の図面から 43 機関車編 9020-1

模型工作の方は、考える事ばかり多くてあまり進まないので、実物の機関車の研究をしましょう。

  8620の初期型の炭水車がどのような構造か考えていた時に図面を漁っていたところ、面白い図面を見つけました。

それがこれです。
2700_9020_86388643_50
  一見、8850等の普通の2700ガロンの炭水車に見えますが、
縦書きの注記に「本図は9020型としての組立図にして前部は「センターバッファー」なれども後8620型に改造して「サイドバッファー」とす。」と書かれています。

  この図面は9020用の炭水車の図面で、8620用に機関車側のバッファを左右2個の物に改造するという物で、改造図は別図と言うことです。ですから本来の9020の図面にこの注記を追記しただけのものとなります。

9020の炭水車と言うと・・・
468329023wicollection_l

  有名なこの写真の、非常に短くて高さが高い特異な物とのイメージですが、
この機関車、ご承知のように元はこのような物だったんです。
498294600alco

  1911年3月、ALCOで6両製造されたこの機関車は、当初4600という形式で、機関車本体のみが輸入されました。
  炭水車は日本で製造されましたが、どういう物か今まで分からなかったんです。
上図の炭水車は、基本寸法も構造も8850等、汽車会社製の3軸炭水車を元にしており、前方の台枠の構造やブレーキシリンダの位置等が異なる程度です。

  そこで、上記の写真とこれに近い角度のこのタイプの炭水車の写真から合成してみました。
498294600alco_200

  機炭間の処理や炭水車の遠近感等、つたない点はご了承ください。
また8800の写真を使ったのでイコライザが付くなどは無視してくださいね。
後の短い炭水車の異様さがなく、良い感じにまとまっています。

  日本に到着して、新橋工場で組み立てられたのち、この炭水車を付けて、各種テスト走行をした結果、前部台車の蛇行運動が原因で動輪タイヤの偏摩耗が激しいことが分かったので、1912年に浜松工場で先輪を追加することになりました。
  先輪を追加したため機関車の軸距離が延びて、当時の転車台に乗れない場合があるため、全軸距離を短くするためにこの炭水車を外して、新たに短い物を製造したと推察します。

  その時に余った炭水車は、製造後まだ1年しか経っていないので、一時保管の後、汽車会社で製造中の8620に使用した物と考えられます。

上記炭水車の図面集の目録にはその8620の番号が書かれています。
2700_50

  この図の左上、組立図の項の2、「8620-ヒ-2」が上図で、右に「8638~8643に対してのみ」と書かれています。図面の注記の8620はこの番号が相当し、両数も9020と同じ6両です。

  8620も末期は他の機関車の炭水車との振替が多く発生し、このタイプが最後まで残らなかった可能性は高いのですが、一度写真を見てみたいものですね。

9020に戻って、
  この機関車は1913年3月に上記の改造工事が終わり、後の御殿場線でマレー式機関車の教習用に使用され8月からC+Cマレーによる本格的な運転に寄与しました。
その後、東北本線黒磯-白河間の勾配線で使用され、1925年に廃車されてしまいました。

次回からは、この機関車の明細図を載せましょうか。

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