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2015年6月29日 (月)

一枚の写真から 31 5300-1

前回の5490と同時に輸入された機関車は、ちょっと軸距離の短いテンダ機関車です。
後の形式5300、トップナンバーではなく5312,5313号です。
製造は同じく1882年、製造番号も連番です。

同じものを4両とせず、タンク機関車とテンダ機関車、そしてほとんど同じボイラーで同じ動輪、車輪の位置関係がの違う機関車を2両づつ購入したのには、メーカー側の今後の増備を目論んだ提示と考えるのが良いように思います。

5490は軸距離が長く、急曲線は苦手ですが、重軸重で、本線での高加速の短区間のフリークエントサービス用、
今回の5300は短軸距離で急曲線に強く、支線にも入れる長距離の旅客列車用と考えられると思います、初めから日本鉄道向けを考えていたのかもしれません。

ではメーカー写真から
2161or216231or33north_western_museu

後の5500や6200等に比べて、なんだか動輪が前にずれていてアンバランスな感じですねぇ。
5490は動輪間にちょうど火室が入っていたのに比べ、この機関車は火室の中央に第2動輪が来る配置で、火室後部とキャブが後ろに出っ張っています。5490に比べて高速での乗り心地は劣ったでしょうねぇ。
5490も同じですが、このグループの機関車は英国製には珍しい4本スライドバーとなっています。アメリカ製ではさほど珍しくありませんが、イギリス製ではこの2形式以外では5450があるだけだと思います。

組立図
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このグループの機関車は幅関係が狭く、ランニングボード幅が2108.2mm、キャブの幅はスプラッシャと一体で1714.5mmしかありません、ランニングボード上を前から歩いてきても、キャブの横をさほど苦労なしで通れるようになっています。
1/80ではそれぞれ26.4mm、21.4mm、普通の車両の幅が35mmなので、8.5mmも狭く、スプラッシャと一体のキャブは16.5mmゲージではもはや模型化のしようもありません、13mmゲージでも各部の精度を上げて幅を厳しく作る必要がありそうですね。

炭水車です。
Beyer_peacock_5300t_53125313_619433

炭水車は日本の英国製では比較的珍しいタイプの石炭庫上板が前方で湾曲して床まで下がっているタイプ。
5500等ではおなじみですが、ピーコック製を除けば、5500のコピーの他にはあまりありませんね。
床板の下部の四角の構造物は床下の水タンクです。
これは6700の初期のものにまで採用されていますが、見た目以上に容量があり、重心も下がります。英国製によく採用されています。そのせいもあるのか、この炭水車は他の2軸の物に比べて軸距離が長いですね。

このグループは他の5300が1921年から960に改造される前の1914年に東武鉄道に払い下げられ、5300の形のまま生涯を全うしました。

東武時代の写真、27号(5312)昭和15年です。
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キャブが幅広く改造され、煙室は延長、煙突もパイプ型になっています。
スライドバーも1本棒式に改造されていますね。

昭和26年、平野和幸氏の撮影です。
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発電機が装備されて電灯化されたくらいで、それほど変わりませんね。

東武28号(5313)同じく昭和15年
21612819401011l_2

こちらのキャブは原型、スライドバーも4本のままです。

5300はこの他に2種類あります、それらは次回とします。

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コメント

東武熊谷線でカメ号と揶揄されたのもこのカマでしょうか。
高崎線との立体交差で難儀したようです。

投稿: 12号線 | 2015年6月30日 (火) 12時40分

東武28号はキャブが角目になってますね。何となく東武好きの小生はお気に入りです。

投稿: 八五郎坊主 | 2015年6月30日 (火) 20時30分

12号線様
カメ号のお話は知らないのですが、足が遅かったと言う事でしょうか?63号とかもう一回り動輪が大きいのが居ますが、それらと比べて遅いと言う事でしょうかねぇ・・・
それとも5500等に比べて重心が後ろ寄りと思われるので、上り勾配で重心移動によって第1動輪の粘着が減って牽引力が落ちたのでしょうかねぇ。

投稿: クラーケン | 2015年6月30日 (火) 21時35分

八五郎坊主様
ピーコック製の機関車は角窓が特徴と言って良いほど角窓が多いんですが、東武はこのメーカーの機関車が多いからねぇ。

投稿: クラーケン | 2015年6月30日 (火) 21時36分

東武28号のガイドヨークはクロスヘッドポンプを外した跡のように見えますね。
ランニングボード下の配管は逆止弁に至る給水管のようですが、キャブ下ステップ裏にノンリフティング・インジェクターが付いているのでしょうか?

投稿: railtruck | 2015年7月 1日 (水) 21時38分

railtruck様
スライドバーの横の左右の穴、まさにそれですね。
元々左側のインジェクタがキャブの下に付いていたので、同じタイプかもしれませんね。

投稿: クラーケン | 2015年7月 2日 (木) 01時18分

炭水車の図面を忘れていましたので追加しました。

投稿: クラーケン | 2015年7月 2日 (木) 01時35分

クラーケンさんとおなじく実物の形態としてはは、4-4-0ではキャブ下に第2動輪がぐっと入った方がバランスがとれていて好みです。しかし模型としてはウェイトをかけるのに動輪間の支点が前にあった方が、補重のバランスがとりやすいと思います。この機関車は二軸テンダーなので、後輪を固定して、ドローバーにテンダーの重量かけてやればかなり牽きそうですね。

投稿: ゆうえん・こうじ | 2015年7月 5日 (日) 17時45分

いや、私はアンバランスとは書きましたが、実際のところ、均整のとれた5500のような機関車より、こういうちょっと変な物の方が好きなんですよ。
だから珊瑚の5500のキットを持ってるけど作る気が起きなくて・・・5490にでもしよっかな。
テンダの荷重を掛けるなら、こんなに楽な機関車は珍しいですね、かえって掛けすぎなくするのがむずいかも。

投稿: クラーケン | 2015年7月 5日 (日) 19時45分

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