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2015年2月

2015年2月22日 (日)

一枚の図面から 42-1 機関車編 沖縄県鉄道の機関車たち 1

   沖縄県の鉄道と言えば、現在は2003年開業の「ゆいレール」のみですが、1983年まで南大東島で専用鉄道が走っていた程度で、本格的な鉄道は近年までありませんでした。
しかし太平洋戦争の末期までは、「沖縄県鉄道」と「沖縄馬車軌道(後に沖縄軌道に改称)」がありました。
さらにさかのぼると、昭和8年までは「沖縄電気軌道」という電車まで走っていたんです。

   馬車軌道と電気軌道は私の範疇から外れてしまうので、機関車が居た「沖縄県鉄道」について調べてみました。

  沖縄県鉄道は大正3年開業の762mm軌間の軽便鉄道で、那覇-与那原の与那原線を最初に開通し、その後、嘉手納線、糸満線と開通しました。
一般的には「沖縄県営鉄道」と言われていますが、鉄道省の記録では「沖縄県営鉄道」これは時刻表などのもこの記載ですが、鉄道側の正式名称は「沖縄県鉄道」との事です。

   島の鉄道なので、それほどの物ではないだろうと思われる方も居られるかもしれませんが、総延長48.2㎞と、日本で旅客営業を行った軽便鉄道で第8位の大きな鉄道なんです。
  そのような鉄道なので車両も多く、機関車12両、気動車6両、客車34両、貨車81両の計133両にもなります。

車両の内訳を見るのに、こんな資料があります。
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  車輌組立図目録というもので、組立図がこれだけ有ったと言う事なんですが、各線別に車両が決まっていたようです。
気動車の記載がないので、昭和5年以前の資料です、昭和17年の増備の機関車20号も当然記載がありません。

では、機関車を紹介していきましょう。
まずは、私の好きな1~3号。
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  整備重量11t、B-1サイドタンク機関車です。
弁装置はワルシャート式、車輪は動輪も従輪もスポークではなく穴が開いているだけです。
ドイツ的な煙突やキャブのデザインがユーモラスで良いですね。

  この機関車は最後まで居たにも関わらず、写真が少ないのですが、大正10年、当時の皇太子(後の昭和天皇)が沖縄を訪れた時の特別列車(皇太子乗用なのでお召列車とは言わない)を牽いた時の写真が有ります。
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まだ新しいので大きな改造はないようです。

この機関車の図面は、最初に紹介したリストにある組立図があります。
Henschel_b1n2t_bwl

  リストと言い、このきっちりとした図面と言い、さすがに県が経営していただけの事がありますね。
ロッド類が線で表現されているだけなので、動輪等が良く見えていいですね。

  この鉄道の車両たちのほとんどは、昭和19年10月10日那覇大空襲と、その後の輸送中の弾薬の爆発事故や爆撃、艦砲射撃とその後の地上戦等によって壊滅しました。
客車等の一部は残った物もあったようですが、機関車は使える状態で残った物はなかったようです。

  いつか、B-1の軸配置というテーマで競作をしようと言う事になったら、私は木曽ではなく、文句なくこの機関車です。
銕騎さん、いかがですか?

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2015年2月14日 (土)

一枚の図面から 41-12 機関車編 木曽の機関車たち 日本製の機関車

木曽の森林鉄道、最後は日本製の機関車です。

小川・王滝森林鉄道の機関車はこれまで紹介した物以外に、

1号、1914年 大日本軌道製

3号、1915年 大日本軌道製

5号、1920年 雨宮製作所製

大同電力1号 1936年 日立製作所製

の4両の国産機があり、これで全部となります。

1号は、8.1tのB型サイドタンク機関車で、建設時から使用したものですが、小型のため、他の機関車の増備に伴い、1934年に廃車になりました。
写真は不鮮明な列車の写真と、一部が写っている物が発表されているだけで、詳細はわかりません。

3号は、8.1tのB型ウェルタンク機関車で、1号とさほど変わらない機関車と思われますが、ここでしばらく使った後、近くの野尻森林鉄道に移管され、1号より早い1929年に廃車になってしまいました。この機関車の写真はみた事がありません。

5号は、大日本軌道が雨宮製作所に改組された後の機関車で、3号と同じく8.1tのB型ウェルタンク機関車です。
この機関車も1938年と早い時期に廃車されたのですが、廃車2年前の写真が有ります。
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雨宮の標準的ともいえる機関車ですね。
1号、3号も諸元が同じなので、1号のサイドタンクという点を除けば同じような機関車だったと思います。

大同電力1号は、沿線の三浦に大同電力(後の関西電力)がダムを建設するのにあたり、その輸送を担うに当たって供給を受けた機関車ですので、車籍は大同電力で、工事終了後の1955年に返却されました。
この機関車はBaldwin製を元に製作されましたので、外観も似ています。
メーカー写真です。
7971l

似てはいますが、細かい違いで印象はだいぶ違いますね。

小川・王滝森林鉄道の機関車はこれだけですが、同じ木曽の阿寺及び野尻森林鉄道には、1946年製の立山重工業製のB-1サイドタンク機関車が居ますが、本に載っている以外の資料を持っていないので割愛します。

最後に、私の友人所有の8号(改番後)の写真を載せます。
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2015年2月 8日 (日)

一枚の図面から 41-11 機関車編 木曽の機関車たち コッペル

木曽の森林鉄道の機関車の、Baldwin、Porterに続く機関車と言えばコッペルですね。

オーレンシュタイン・ウント・コッペルは、海外では一般的に「O&K」と呼ばれています。

この社の日本の機関車の解説書と言えば、金田茂裕著「O&Kの機関車」で、現在絶版ですが、興味がある方は是非入手されるべきと思います。

この書のベースになったワークスリストを先日親しい友人が手に入れてくれました。感謝感激です。
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この書の題も「O&K」になっていますね。
表紙以外に写真等はなく、全頁リストのみで、他の人から見たら乱数表のように見えるでしょうね。

いきなり話がそれましたが・・・

木曽のコッペルは2種で、まずは10号。
これは、小川および王滝森林鉄道で使用するため、1923年(大正12年)製のC型タンク機関車です。

組立図は持っていませんので、金田氏の形式図です。
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この図は、木曽で廃車後、芦別森林鉄道 9号での姿ですが、それほど変わらないと思います。

写真も芦別森林鉄道 9号です。
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バランスのとれた格好の良い機関車ですね。

次は13号
この機関車は小木曽森林鉄道向けに1925年(大正14年)製のB-1タンク機関車です。

これも組立図は持っていないので、金田氏の形式図です。
13
10号よりもホイールベースが大きく、オーバーハングは小さいですね。

こちらは木曽での写真が有ります。

撮影年不詳
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昭和11年の姿
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昭和13年
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下回りのバランスが良く格好は良いのですが、私はユーモラスな10号の方が好きですねぇ。

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2015年2月 3日 (火)

一枚の図面から 41-10 機関車編 木曽の機関車たち番外編 魚梁瀬のPorter

日本の森林鉄道用のH.K.Porterの機関車は、木曽ともう一つ、高知県の魚梁瀬・安田川森林鉄道だけですので、ついでにこれも紹介してしまいましょう。

魚梁瀬・安田川森林鉄道は、近年野村製のディーゼル機関車が公園で動態保存されていて有名ですが、本線は魚梁瀬ダムの建設によって1964年に廃止されました。

ここの機関車と言えば、日本の内地では2種類しかいないシェイ式機関車1号が有名ですが、それに続く2~4号がこのH.K.Porter製の機関車です。

2,3号は1921年(大正10年)、4号は1924年(大正13年)製の日本に来たこの社の唯一の軸配置B-1の機関車です。
1号が入った当時は線路状態が非常に悪く、十分な性能が発揮できなかったようで、小型の2,3号が入った頃からやっとまともな運転ができるようになったようです。シェイは線路状態に対して重すぎたんでしょうね、4号が入った翌年の1925年に廃車解体されてしまいました。

2,3号は同型ですが、4号は端バリや連結器の高さが違っています。

メーカーの竣工写真は4号のみ2枚あります。
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この写真は、近藤一郎著「新編H.K.ポーターの機関車」からです。

もう1枚は本邦初公開です。
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ホワイトバック用の白布がいい加減ですねぇ。

次は組立図
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2~4号共通で、違いがちゃんと書かれていますね。

日本に来てからの写真は2号もあります。
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廃車の前年
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この後、下回りを利用して、ディーゼル機関車になってしまいました。

3号
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2号と同型です。

4号
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サイドタンクがへこんでますねぇ。
もう1枚は背面
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コールバンカーの丸穴は何でしょうねぇ。諸説ありますが、私にはわかりません。

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2015年2月 1日 (日)

一枚の図面から 41-9 機関車編 木曽の機関車たち Porter 2

木曽の森林鉄道、H.K.Porterの機関車2回目は6号機です。

6号は、1920年(大正9年)製造のC型サイドタンク機関車で、運転整備重量8.6tの小型機関車です。

組立図です。
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4号は運転室横に入口がありましたが、この機関車では側には入口がなく、背面から出入りする構造です。

この機関車のメーカーの竣工写真は持っていないので、この原型の状態の写真はありません。

昭和11年の姿。
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煙突が延長され、ベルが撤去されていますが、最も大きな改造は運転室ですね。
後部に炭庫を設け、入口を側にしたため、側と背面を作り直したと思われますが、前面は元のままのようです。

2年後の昭和13年の状態。
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煙突上部にネットが追加されていますね。
それにしてもボイラが高い機関車ですね。

この機関車はボールドウィン製に比べて、曲線の多い勾配線では操縦困難で、構造上も不具合が多いと酷評されていますが、昭和28年まで在籍したので、実際はそれほどひどくはなかったのでは?と思ったりしますが・・・

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