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2015年1月11日 (日)

一枚の図面から 41-1 機関車編 木曽の機関車たち Baldwin 1

今年最初の機関車は「きそしん」を取り上げようと思います。

最初はやはり、ボールドウィンのB-1タンクですね。

 私自身は赤沢自然休養林で保存されているのを見ただけですが、あの特徴的な形態は一度見たら忘れることはなく、また、昔から模型の製品で非常に馴染みのある蒸気機関車たちです。

 このグループの最初は、日本初のの森林鉄道用蒸気機関車として、青森県の津軽森林鉄道が、開業に向けて1907年シェイ式蒸気機関車と同時に輸入した3両に始まります。

 元々は、サトウキビ農場向けに設計されたものがベースで、燃料も、サトウキビの搾りかすと言う物でしたが、日本の小規模な森林鉄道用に合致した仕様と言えるため、それを元に作られたものと思われます。

外観はこんな感じ。
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 この写真はボールドウィンの竣工写真ですが、ブロードベルトコレクションと言われ、昔は模型店等で販売されていたものです。

組立図
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 煙突がありませんが、ボールドウィンの標準図を付けると言う事で、このメーカーの図面によくある方法です。
 広火室を得るために動輪を前に集め、火室の後ろに従輪を配置した、バランスの良い機関車ですね。
 主台枠は、火室の前で終わり、そこから後ろは、火室の横に取り付けた鋼材を後ろまで延ばして端バリに結んでいます。
 従台車の中心ピンは火室の下を囲う様になっている帯板の中心にピンが取り付けてあります、復元装置はハートリンク式です。

 津軽森林鉄道は農商務省山林局の所管でしたが、木曽は、宮内省帝室林野管理局木曽支庁が1916年(大正5年)に完成させた鉄道で、小川及び王滝森林鉄道と3つの支線から構成されています。

 1号は大日本軌道製のBタンクで、2号が最初のボールドウィンとなり、1915年製です。

 形態は津軽とほぼ同じで、従輪がスポークになっている程度の差らしいです。
ですから、組立図としては津軽と同様ですね。

 この後に増備された機関車に合わせた形態になり、さらに色々と改造が加えられて他の機関車と変わらなくなって、昭和24年に1番に変更されて最後まで残り、現在も赤沢に保存されています。

戦前の2号当時の写真です。後の1号
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煙突やキャブが改造されています。

 昭和24年以前、ボールドウィンの機関車は、2,7,11,12,16,17,18号で、昭和24年の改番で、順に1,2,5,6,8,9,10号になりました。3,4,7号が抜けていますが、これらは支線の阿寺及び野尻森林鉄道の元9,8,15号で、2号以外と同様です。

 話を戻して、2号の次に来た7号は1921年に製造され、支線の阿寺及び野尻森林鉄道の8,9号、北海道の置戸・温根湯森林鉄道と同時製造で、全く同型です。
 このグループの製造時の写真は有りませんが、煙突がキャベジスタックに変わり、サンドドームが高くなった程度の差です。

 その後の増備は、11,12,16,17,18及び阿寺及び野尻森林鉄道の15号で、1923年から1929年まで断続的に製造されたもので、このグループで終わりとなります。

11,12号は1923,1925年製で、このようになりました、これは11号、後の5号です。
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煙突は前回からのキャベジスタック、キャブは鋼製になり、リヤタンク中央部が嵩上げされ、サンドドームの位置が少し前に移動しました。

12号の戦前の写真です。
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電気前照灯、発電機が付いて、砂撒管が1本になった程度ですね。

 続く16号及び阿寺及び野尻森林鉄道の15号は1927,1928年製で、これは16号、後の8号です。
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 電気前照灯と発電機が付いて、砂撒管が1本になっています、11,12号の改造後と同じですね。

そして最終増備の17,18号は1929年製で、これは17号、後の9号です。
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 一見同じに見えますが、キャブは溶接構造になり、リヤタンクの上部についたてが追加されていますが、これは後に撤去されて他のと同じになりました。

 これらの機関車の後の姿や、さらに詳しい情報は、小熊米雄著「日本における森林鉄道用蒸気機関車について」、同著「日本の森林鉄道(上巻):蒸気機関車編」および、金田茂裕著「ボールドウィンの小形機関車」を参照頂けたらと思います。

 次は、1921年製の、7号と同時製造の置戸・温根湯森林鉄道の機関車の図面を紹介したいと思います。

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コメント

始まりましたね。たのしみにしていました。

頼まれて組んだ珊瑚のOn30の2タイプです。
http://i280.photobucket.com/albums/kk168/sdhknch/2010/DSCN2228b.jpg
http://i280.photobucket.com/albums/kk168/sdhknch/On30%20Models/DSCN2226a.jpg

こちらは私用のOn3仕様のアメリカ向けで、フレーム幅はOn30と同じで動輪軸のカラーのフランジ厚みで対応しています。
http://i280.photobucket.com/albums/kk168/sdhknch/On3%20Models/DSCN1859.jpg

投稿: railtruck | 2015年1月11日 (日) 09時03分

さすがですねぇ!このクラスはやっぱり1/48サイズですねぇ。
こちらも1両持ってるんやけど、最初に出た最終タイプで、最近は全然興味が湧かなくて・・・

投稿: クラーケン | 2015年1月11日 (日) 10時18分

HOn30の方は中期、後期、温根湯、置戸とイモンのキットを組みましたが、存在感や走りはやはり1/48ですね。

ぜひお手持ちの後期型を組んで下さい。

投稿: railtruck | 2015年1月11日 (日) 11時07分

まいど
良いですなーーー
キットは以前から持っていますが
”さんご”キャブのエッチングリベットが気に入らない。
しかしちょっと組んでみるかなーー

投稿: はた坊 | 2015年1月11日 (日) 11時15分

はた坊さん
リベット打ち出しのキャブに作り変えて、フル可動のバルブギアも付けましょう。

投稿: railtruck | 2015年1月11日 (日) 11時42分

はた坊さんに同感ですヽ(´▽`)/
エッチングリベットは、1/80-87程度ではちょうどよくても、1/45-48程度になると物足りないですね。
1/80でも最近の珊瑚製品は実物どおりの個数にするという設計思想のようで、頭が小さくて、ピッチが狭いので私は好みではありません。

投稿: ゆうえん・こうじ | 2015年1月11日 (日) 12時16分

こんにちは。どうもです。
ワッ!始まりましたね。

両サイドの写真、真横の写真、図面、詳しいご解説。。。
至れり尽くせりの情報ですね!素晴らしい!

☆☆☆

昨日から基隆炭鉱鉄道 楠木製作所6t蒸気機関車の
。。。風「動くイメージモデル」を作り始めました。
クラーケンさん!Powerをありがとうございました!

投稿: 隊員 | 2015年1月12日 (月) 10時45分

クラーケンさん、はた坊さん
1/48のBLW 0-4-2Tで期限なしの競作しませんか?
ウチはこのOn3の仕掛りで参加しますが...。例によってヘンな進捗具合です。フレームも抜いているのですが、行方不明で捜索中です。
http://i280.photobucket.com/albums/kk168/sdhknch/P1120152.jpg

投稿: railtruck | 2015年1月12日 (月) 11時00分

まいど
railtruck様
本年も宜しくお願いします。
期限無しですかーー
尻に火が点かないと何も出来ない性分でして、、、
6500が出来時点で考えたいと思いますが
 ビールでも飲みながら皆さんで作戦を練るのは
どうでしょうか!!

投稿: はた坊 | 2015年1月12日 (月) 11時38分

railtruckさん、はた坊さん
私が持ってるキットは最初の製品なので、キャブのリベットはプレスで打出しになってますよ。
その点は良いのですが、最終形はどうも嫌で・・・、キャベジヘッドのタイプが一番好きなんですがねぇ・・・
ヤフオクで売っちゃおうかなぁなんて思ってたんですが・・・
どぶちゅーさんは自作されてるし、競作も面白そうですねぇ。どーしょっかなぁーー

投稿: クラーケン | 2015年1月12日 (月) 18時07分

実は私も初期型のキット持っています。頭の小さいエッチングのリベットが嫌で罪庫化・・・というわけではなく、フォーニーに改造しようと思って中途放置になっています。というわけで、キャベッジヘッド煙突のロストパーツは派生品化する可能性高いです。もしご入用ならご連絡ください。
きそしん(0-4-2)ではなくてフォーニー(0-4-4)でもよければ、競作参入させてください。

投稿: ゆうえん・こうじ | 2015年1月12日 (月) 19時49分

私自身は、日本に存在していたとしてもおかしくない自由形というのは非常に好きですが、
各々の方がどのようなものを作られるかは自由ですので、このタイプの機関車の燃料を増量した形となるフォーニーも、長距離の森林鉄道が存在したと考えれば可能性もあるかと思います。
ですが、フォーニーは模型的にはバランスが悪く、従台車に重量が取られるので牽引力が不利になるため難しいですねぇ。従台車に動力を積んだりすることがありますが、そのやり方は私的にはどうも好きになりませんが・・・。
もちろん単に私の好みの問題ですのでご自由ですよ。

投稿: クラーケン | 2015年1月14日 (水) 01時57分

牽引力がないことで定評のある?フォーニーですが、HOならいざしらず、Oスケールならバックマンの製品みても、ソコソコ牽引力はあると思います。私も蒸機の先従輪含めた全軸駆動というのはどうも好きになれません。動輪にゴムタイヤ履かせてでも、やはり動輪駆動にこだわりたいです。ブラスの重いトレーラー引かせなければ大丈夫だと思っています。
ただ珊瑚の”きそしん”のキットはキャブディテールが売りですから、これを生かすか、撤去してキャブ内にドンとモーターとウェイトを設置するかは悩ましい問題ですね。

投稿: ゆうえん・こうじ | 2015年1月14日 (水) 22時58分

ゆうえん・こうじ様
私はフォーニーにはそれほど興味を感じなかったのですが、
http://shay.exblog.jp/i0/
のフォーニーって、木曽のイメージで、また非常に格好よくて素晴らしい出来ですね。
ちょっと興味が出てきました。

投稿: クラーケン | 2015年1月16日 (金) 00時54分

Franklin & Megantic鉄道の2号機
http://www.narrowgauge.iform.com.au/fm2.html
が、プロトタイプはアウトサイドフレームですが
きそしんのスペックに近いようです。
私はこのロコのインサイドフレーム化したイメージを狙っています。
もうちょっとリアタンクが小さい方が格好よさそうです。

投稿: ゆうえん・こうじ | 2015年1月16日 (金) 20時06分

前述の仕掛りのプロトタイプです。表の2番目のクラスなので、木曽森と動輪径、軸距などは同じかと。
http://narrowmind.railfan.net/BLW/BLW-ng-042T.jpg

投稿: railtruck | 2015年1月17日 (土) 08時21分

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