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2014年12月31日 (水)

一枚の図面から 40-2 機関車編 1100とその仲間 建設用の機関車 2

先日来、ぎっくり腰になりまして、29日の忘年会に行った以外は、家の手伝いもしないでパソコンの前ばかりです。

そんなわけで・・・

建設用の機関車の続きです。

 淀川の改修工事は、前回のネィスミス・ウィルソンの機関車を使用した明治29年から途中抜けは有りますが、現在に至るまで続けられており、蒸気機関車は昭和43年まで使用されました。
 その間、最初の工事が終わった時点でネィスミス・ウィルソンの機関車は5両が他所へ転属して、残る1両は、淀川下流工事に回されて一旦機関車の使用は終わり、しばらくは小規模な工事が続くのですが、昭和14年から再び大きな工事が始まり、7両の機関車が集められました。

 その頃の内務省の機関車は、単純な番号のみや川の名前を使った物に番号を組み合わせた物等雑多な感じで、工事場所が変わっても前の名前がそのままである等、統一性を欠いたものでした。
 昭和14年からの工事の7両の機関車はそのような状態で、
鉄道史料88号記載の表の順序で行くと、
「1」号が1920年内務省千住機械工場製。
「淀2」号も同じく1920年内務省千住機械工場製。
「淀3」号は最初の工事のネィスミス・ウィルソン製の製造番号540。
「4」号は1913年大阪鉄工所製。
「淀吉5」号は吉野川の工事から転属された物で、以前 紹介した鉄道院1061号です。
「淀増3」号は淀川増補工事から転属で、製造年不詳で内務省千住機械工場製。
「信17」号は信濃川の工事から転属で、1912年内務省大河津機械工場製。
以上7両が集められました。

 内務省は戦後建設省に管轄が変わり、昭和26年頃に「淀20S1」のように番号系統が変わります。
最初の「淀」は工事事務所の名前、次の「20」は重量区分、「S」は蒸気機関車、最後の「1」は同系統の順列、となりました。

改番後は、以下の通り。
「淀20S1」は元「淀3」。
「淀20S2」は元「4」。
「淀20S3」は元「淀増3」。
「淀20S4」は不明(欠番?)。
「淀20S5」は元「信17」。
「淀20S6」は元「6」、これは元大井川鉄道6号、1923年コッペル製との事なんですが、内務省千住機械工場製に似た機関車の写真があり、この機関車は別の番号だった可能性があります。
「淀20S7」は元「淀吉5」、1061です。
元の「1」と「淀2」が消えた訳ですが、「淀20S6」の千住機械工場製の方は元「1」の特徴があり、コッペル製が他の番号になっていたとすれば両数的には戦前と同じ事になります。

 国産で増備したこのグループの機関車は他に川崎造船、日本車両、楠木製作所その他で内務省の他の工場製の物もありそうです。

 それでは各メーカー別に紹介して行こうと思いますが、金田茂裕氏が撮られた淀川の工事の物が多く、他の地域の工事関係は牧野俊介氏が撮られた旭川の工事用の機関車(後に淀川へ来たものが多い)を除けばわずかしかなく、写真は淀川の関係が多くなります。

内務省千住機械工場製
2_l

「淀2」です。私的には鷹取工場の様な気がします。
煙室扉はボイラ中心より少し下がってるように思います、ドイツ製以外の機関車で見るのは初めてです、またドームは特徴的な末広がり、サイドタンクの水平のリベットが中央より上方に並んでいるのもこのメーカーの特徴ですね。
同じく「淀2」、改番時には廃車になってしまっていたようです。
2l

そして問題の「淀20S6」、牧野俊介著「岡山より汽車を求めて  下巻」P163のNo.1の写真と比べてみてください。
20s6_6l

次は同じく内務省大河津機械工場製。
20s5_5l

元「信17」、次も同じく。
20s5_17_1l

このメーカーの機関車はネィスミス・ウィルソン製のオーソドックスな部分をかなり忠実に再現していて、同じ図面で作ったんじゃないかと思えるほどよく似ています。

次は民間の大阪鉄工所製
3_3l

牧野俊介氏の写真で、旭川工事の時の写真。
この機関車もネィスミス・ウィルソン製のコピーと思えるほどですが、煙室の側面の板に継ぎ目があるのが特徴です。
次は淀川、「淀20S2」になった、「4」の時代じゃないかと思います。
202_4l

「淀20S2」
20s2_2_2l

淀川関係はこれだけで、他の河川工事で使用した1100系(20tクラス)です。

荒川改修工事で発注された川崎造船製。
竣工写真です。
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シリンダケーシングがまだ付いていませんねぇ。
荒川上流戸田、昭和13年の状態です。

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次は日本車両、石狩川向けに作っています
2528l

これはカタログのコピーです。
組立図が「日車の車輌史 図面集 戦前産業車両」に出ています。

次は楠木製作所。
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日車と同じく、石狩川の工事の絵葉書です。

最後に淀川の「淀吉5」、元1061の現役当時、昭和15年の物を紹介ます。
4242_519400000_2l

もう1枚
4242_519400000_1l

このほかにもある可能性はありますが、私の手元にある資料ではこれ位です。

以上で、「1100とその仲間」は完結です。

今日は大晦日。

当ブログを見て頂いた皆様、本当にありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

汽車好きクラーケン 拝

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コメント

大阪鉄工所製!!

やっぱり有ったんや。
在職していた会社で、100年誌編纂するので、なんか有ったら頂戴と言われてましたが、こんなのが有ったら小躍りして喜んだでしょうね。
(もう遅かりし!!)

今年は、貴重な資料ありがとうございました。
来年も楽しみにしてます。

投稿: ひからび | 2014年12月31日 (水) 18時54分

初めまして、いつも勉強になる資料ばかりで毎回感動しながら拝見しております。また来年も貴重な資料を拝見出来る事を期待しています。よろしくお願いします!

投稿: 新鶴の変態紳士 | 2014年12月31日 (水) 21時54分

ひからび様
大阪鉄工所って関係あったんですか、面白い!
しかし顔が広いですねぇ。

投稿: クラーケン | 2014年12月31日 (水) 23時00分

新鶴の変態紳士様
面白い名前ですねぇ、変態同士、よろしくお願いいたします。
鉄道車両の研究と言っても、適当に写真と図面を並べ立てているだけですよ。
本当に分からない事ばかり。
間違いや説明不足等、どしどし鞭で叩いてやって下さい。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿: クラーケン | 2014年12月31日 (水) 23時03分

あけましておめでとうございます。

フィージーの4-4-0ですが、煙室扉がボイラー中心よりかなり下がっています。英Hudswell Clarke製です。
http://pacificarchives.anu.edu.au/gallery/CSR/Overview/images/171-1039_Passenger%20train_Rarawai.jpg

今年もよろしくお願いします。

投稿: railtruck | 2015年1月 1日 (木) 07時47分

クラーケンさん、今年もよろしくお願いします。

大阪鉄工所は日立造船の前身です。(大阪市此花区に工場があった)
日立造船も昭和47年ごろまで舞鶴西工場で車両を製造していました。
でも、車両に関しての資料はほとんど残ってない?ので、広報部署の担当が苦慮してました。

多度津の8620も大阪鉄工所製と書いてある文献がありまして、わざわざ見に行ったのですが、日立製作所製のようでした。
よく間違えられるのですが、日立造船と日立の名前はつきますが、日立製作所とは全くの別系列の会社です。

今年は、図面室の方と知り合いに成りましたので、お願いして調べて行きたいと思ってます。
クラーケンさんに満足してもらえるかは判りませんが、がんばってみます。

投稿: ひからび | 2015年1月 1日 (木) 09時43分

ひからびさん
ほんまや!日立は笠戸だけと思ってたから抜けてました。
国鉄の機関車で、大阪鉄工所製と書いてあるものはないと思いますよ、もしあるなら絶対知ってると思う。
舞鶴の車両メーカーが作った貨車の竣工写真が何枚もあるんやけど、ひょっとしたらそこのかもしれませんねぇ。
背景見たらわかるかもね。

投稿: クラーケン | 2015年1月 1日 (木) 16時51分

このフィージー島のHudswell Clarke製4-4-0の煙室扉もボイラー中心よりかなり下がっています。
https://plus.google.com/photos/+tombell1/albums/5739554191480094385/5742129871843361426?banner=pwa&pid=5742129871843361426&oid=112594206815555128242

今年もよろしくお願いします。

投稿: railtruck | 2015年1月 4日 (日) 09時49分

railtruck様
年始早々物凄い情報をありがとうございます。
早速ほとんどの写真をダウンロードしてしまいましたが、
Downloads 1と、Downloads 3がちゃんとダウンロードできませんでした。
鉄連の機関車等もあって興味深いですが膨大なので時間がある時にゆっくり見ようと思います。

投稿: クラーケン | 2015年1月 4日 (日) 13時07分

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