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2014年9月13日 (土)

一枚の図面から 30 機関車編 アプトの機関車 3980-4

3980は2両づつ製造されたようで、3980と3981、3982と3983、3984と3985はそれぞれが同型のようですが、グループにより違いがあります。

 この機関車は、製造が遅れたために巨額の延滞金を支払ったそうで、鉄道院からは、早期製造を厳しく要求されていたようです。
 発注目的は、日露戦争で、海外からの輸入が途絶えるためと思われますが、日露戦争は1904年2月から1905年9月で、発注はこの間と言えると思いますが、最初の完成が1906年(明治39年)と言う事は、受注から最初の機関車の完成まで1,2年掛かっていることになり、当時の汽車会社の設計、製造能力がまだ未発達だったことが見て取れます。
 
 

 最初の機関車が完成した時はもう日露戦争も終わってしまい、機関車の輸入も問題なくなって、1908年に3900が3両、3950が4両追加で輸入されています。
 3982,3983は1908年製、最終の3984,3985は1909年製なので、製造能力を考えると、3982,3983が継続製造、3984,3985は上記輸入機関車と同時発注だったのかもしれませんね。

それを踏まえて、という訳でもないのですが、3982と3983について考えます。

 この2両は写真が少なく、3983のみを2枚しか見たことがありません。1枚は絵葉書で、もう一枚はベイヤーピーコック社の社内誌ですが、提供者から掲載の許可が頂けませんでしたので、絵葉書の画像を載せます。
3983l_2

 前の513号(3981)の写真に比べ、前寄りからの撮影で、カメラの高さも少し上のようです。

 煙室前部の高さや、サイドタンクの上に見える火室の状態等を見ると、ボイラ自体の傾斜等は3980,3981と変わりはないように思います。
 煙室前板は3980,3981がサイドタンクと別体だったものが、3950と同じように、一枚板になっています。
 こちら側のサイドタンクの上に、運転室からサイドタンク前まで、2本の帯板状のレバーがあって、サイドタンク前の縦軸が回転するようになっています。
これは何でしょうね、ドレンコック操作用(粘着とピニオン)位しか思いつきませんが、何か特殊な機構の可能性もありますが、そうなると、この2両から追加された機能の可能性もありますね。
 3980,3981にあった、同じく、運転室から煙突後ろまでの配管らしき物(反圧制動用?)もレバーの向こうにちらっと見えるので、こちら側のサイドタンク上部はにぎやかですね。
前の写真もそうですが、ワルシャート式のバルブギヤー、それにシリンダや先輪の軸箱、メカニカルな感じでいいですね。

3980,3981とは、細かな変更程度で基本設計の変更はないと思いますが、次の3984,3985は大きく変わりますが、それは次回です。

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コメント

3980形の記事になってからコメントが1件もありませんねぇ。私は内容を事前に知っていますから、特別にコメントすることは無いのですが、何故こんな面白い記事にコメントが無いのでしょうか?不思議ですねぇ。とっつきにくいのかしら?アプトには興味が薄いのでしょうか?
頑張ってコメントを書いてこのブログを盛り上げましょう!

投稿: 銕騎 | 2014年9月13日 (土) 03時50分

銕騎さん、応援ありがとうございます。
アクセス数は結構行ってるんですが・・・、

反論を期待したりしているんですが・・・って、もうこりごり?、いえいえ論争は大好きです。

投稿: クラーケン | 2014年9月13日 (土) 09時26分

汽車会社ではロット毎に「工号」を付与しており、工号発行年(工場に製造命令を発した年)も記録に有ります
それによると
512,513 工号10/90 工号発行年1905
514,515 工号13/13 工号発行年1908
516,517 工号13/130 工号発行年1908
となってます
2ndロットの製造指示が遅い割には仕様が1stロットと同じと思えること
2ndロットと3rdロットが時系列で近い割には仕様が大幅変更されてること
がいまいち不可解な点です

>反論を期待したりしているんですが

こちとら手控えてるんですがね
収拾つかなくなっても知りませんよ(笑)

投稿: たかひろ | 2014年9月13日 (土) 10時45分

>収拾つかなくなっても知りませんよ
たかひろ様とは議論を尽くしましたので、これ以上はご勘弁を。
516,517は見た目は大きく変わっていますが、設計者的に考えるとそれほどではないと思っています。
詳細は次回で。

投稿: クラーケン | 2014年9月13日 (土) 12時23分

>たかひろ様とは議論を尽くしましたので、これ以上はご勘弁を。

それでは他の方と議論を戦わせる事と致しましょう

投稿: たかひろ | 2014年9月13日 (土) 13時16分

最初の2両の製造期間が異常に長かった件ですが、ラック駆動機構の部分はピーコックより購入したというハナシが有り、これが事実とすれば、日露戦争中(日本海海戦終了まで)船便が不如意であったためと理解できるんですけど
実際のところはどうなんでしょうね

投稿: たかひろ | 2014年9月14日 (日) 08時38分

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