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2014年7月 2日 (水)

一枚の図面から 26-8 機関車のバネ装置 8

今回は、日本でのイコライザー使用の最終期の標準的なタイプ、国鉄の制式機を紹介します。

先ず、旅客用の例として、C59を紹介します。
基本的に国鉄制式の2軸先台車を持った蒸気機関車は同じです。

C591l
C62等、2軸従台車を持った機関車も全く同じで、右端にもう1軸延びるだけです。

先台車
C592l

細かい構造に違いはあっても基本的な構造は全部同じです。
台車枠は剛構造で、中央にスイングする構造の重ね板バネがあり、板バネの端部でイコライザーを吊っています。板バネの中央がイコライザーの回転中心となります。
台車枠は中央の心皿で車体の荷重を受けます、一般のボギー台車の様な側受けは無いので回転と同時に左右にスイングします。この動きで、3点支持のうちの1点を担います。
前後のピッチングはイコライザーがあるため、台車枠は基本的に上下しないので、主台枠とのクリアランスは驚くほどわずかです。
この図ではエコノミー式復元装置が分かりますね。

従台車です。
C593l
これだけ?と思われる方も居られるかも知れませんね。
一番上の図の重ね板バネは、主台枠に付いているので、従台車のように回転したりしません。
従台車はその重ね板バネの下部でスライドして荷重が掛かるようになっています。
左端の穴が従台車の回転中心で、右側は左右の復元バネです。
この復元バネは、先台車に比べると非常に簡単な構造で、中央部の四角い箱が台枠に付いていて、単にコイルばねで左右から押さえてあるだけです。
軸箱上部は板バネから荷重が掛かりますが、ここはスライドするため、油を溜めた箱でスライド部を覆っています。

2軸先台車が付いた機関車は通常この構造で、基本は4-4-0で、後ろの車輪群が増えてもイコライザーが続くだけで動きとしては変わりません。

これまでは蒸気機関車に限って説明してきましたが、電気機関車もこの構造は同じです。

2軸先台車が付いた機関車の代表例EF58です。
Ef581l
所謂旧型電気機関車はイコライザーがむき出しなので構造が分かりやすいですね。
先のC59から従台車を除いただけで、同じですね、先台車も外側軸受けになっただけで基本構造は共通です。
台車の中心ピン(心皿)が第1、第2動輪間にありますが、ここでは先台車への荷重が少ないので、中心ピンの前方に荷重分配装置が付いています。
先台車枠後端と主台枠の端部が非常に近いですが、イコライザーをちゃんと作ればこの程度のクリアランスで接触することはないと言う事です。
市販の製品は、ここをものすごく広げてしまって実感的ではありませんし、それに伴って車体長まで延ばすという事をやっています、イコライザー可動にされた場合は、ここを詰めてみましょう、3点支持になっていれば、ほんのわずかな隙間でも意外に当たらないものです。

次は。1軸先台車の例、D51です。
51

ばね装置は、先輪から第2動輪まで、第3動輪から従輪までの左右で構成されています。
先輪の中央で左右に渡るイコライザーになっているので、先輪から第2動輪までは第1動輪中央付近が1点の荷重点になります。
先台車へ行くイコライザーの中心ピンは3か所に変えることが出来ますので、動輪軸重を変更することが可能になっています、実際に移動させるには穴の仕上げなどの加工が必要ですが。

EF58を出したので、対するEF15を紹介します。
Ef151l
EF58と似ていて、同じ主台車枠を使った模型の製品も見ますが、EF58とEF15の台車枠は全く異なります。
EF15は先輪と第1動輪がイコライザーでつながり、第2、第3動輪が左右の単純なイコライザーでつながります。
先輪の上部は左右に渡るイコライザーを構成しているので、先輪と第1動輪で1点となります。
先輪と動輪を結ぶイコライザーがいびつな形で、なかなか構造が分かりませんでしたが、図面で見るとよくわかりますね。
EF15の心皿は荷重点として問題ないので、荷重分配装置は付いていません。

次回でバネ装置の実物編は終わりです。












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コメント

う~む、イコライザーに軸重配分ですか、、、この連載を見ていると軸重測定器でも作ろか、という気になってしまいます。(車軸配置や軸間距離がいろいろあるので一度には計れないけど。前進して順次に測定する方法でしょうけど)

投稿: 三木の干し殺し | 2014年7月 2日 (水) 21時25分

三木の干し殺しさん
実物は、最大軸重が非常に厳しいので、軸重測定は大事なファクターですが、
実際のところ、模型の場合は動輪以外の車輪への重量配分以外はイコライザーは余り関係ないですねぇ。
牽引力は、モーターに十分な力がある場合は、動輪と線路との摩擦が全てですから、重量x面積x摩擦係数で、軸重が均等であろうがどれかに集中していようが、計算上は同じことですから、模型の場合、イコライザーを付ける理由としては、集電と、ジョイント音、3軸以上の場合のロッドと台枠の直線性の精度が不要なのでスムーズに回転しやすいと言ったところでしょうか。

投稿: クラーケン | 2014年7月 2日 (水) 22時03分

>軸重が均等であろうがどれかに集中していようが、計算上は同じことですから、、、に異論あり。
 たしかに全くの平坦線ではそうなりますが、うねっている場合、荷重が集中している軸が浮くと牽引力が低下する、と考えますが。従って動輪に関しては線路の状態にかかわらずイコライザーで均等配分すべきかと。
>重量x面積x摩擦係数、、
 面積は関係ないはず。μmgのみでは?

投稿: 三木の干し殺し | 2014年7月 2日 (水) 22時44分

>面積は関係ないはず
あくまで一般論、模型の場合は点接触なので、点の数やね。
>異論あり。
全体の重量が同じなので、たとえば3軸車の場合、軸箱固定なら最低2点が接触するけど、全重量/2x摩擦係数x2.
イコライザー付の場合6点が接触するから、全重量/6x摩擦係数x6で答えはどちらも同じで、結局接触する点数は関係なく、どちらも全重量x摩擦係数になって摩擦力は同じでしょ。

投稿: クラーケン | 2014年7月 2日 (水) 23時27分

接触点数なら納得!

投稿: 三木の干し殺し | 2014年7月 3日 (木) 19時58分

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