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2014年2月14日 (金)

一枚の図面から 14 6050という機関車

山陽鉄道の6120(後の形式)と言えば、Schenectady製の4-4-0の名機で、5700、6400と共にアメリカ製4-4-0の代表格と言っても過言ではないと思います。

6050_1200_1_072l

この写真は山陽鉄道93号、後の6120と同じですが、この後改造されて6050になる機関車です。

今回の6050は、山陽鉄道が、この6120を改造した実験機関車なんです。

この機関車は6120のシリンダ鋳物をDスライドバルブからピストンバルブに改造した物で、従来写真も図面も資料は何もない、とされてきた機関車なんです。

ところが・・・・・

この機関車のシリンダ周り、図面は多くの方々が持ってられる、原書房発行の「日本国有鉄道蒸気機関車設計図面集」に載っているんですよ。

P11の6100の項の、弁装置組立がそれです。

Photo

平面と側面しかないので分かりにくいのですが、平面図で通常、スライドバルブがある所には4個の丸、バルブスピンドルは台枠の上部まで奥まっています。

図面は三面図が基本、これだけではよくわかりませんね。

そこで、シリンダ図面、これではっきりと形が分かりますね。

6050_125_l

上から見た4つの丸は何かが付く座になっています。

非常に奇異に感じますが、この時代のアメリカの機関車にこの例が多数あります。

Alcol

6050の場合はどんな感じだったのか、2次元の図面だけではイメージが湧きにくいので、3Dを作ってみました。

60501

普通のシリンダとは全く違いますね。

台枠全体では

60502_2 

側面の斜面に付いている座はデッキの受けと考えて、上部に付けてみました。

そして、一般の6120です。

6120

大分違いますね。

比較のため重ねてみます。

6050_6120

まだらの所は完全に同じもの、やはりバルブ部のみの違いですね、スライドバルブの上面にちょうどデッキが付く感じだと思います。飽和式なので、煙室からバルブまでの距離を縮めるためにこのような形になったのでしょうか?過熱式の機関車では、弁室は側に寄っていますね。

6120を作ったら、シリンダをこれに替えてみるのも楽しいですね。

ps.

コメントに補足説明を書きましたので、ご参照下さい。

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コメント

 このことは知りませんでした。有名なK-27にスライドバルブとピストンバルブのあることは知っていましたけれど。そこで質問です。スライドバルブとピストンバルブのメリット、デメリット。そして近代型ほどピストンバルブに移行していったのは何故なのですか?

投稿: コン | 2014年2月15日 (土) 20時12分

なんか!おかしなコメント付いたね。

承認制にすると、コメント総数は減るが、イタズラレスはなくなる。
しかたがないけど、やったほうがええで!

機会があったら、参考のため、この3d-CADの元図ください。

しかし、こんなフレームで、あのスピードで、あの重さ
が持つのですね。
感心します。

投稿: ひからび | 2014年2月16日 (日) 19時08分

コン様
私はこのご質問を頂くのを恐れておりました。
一般の技術書には、メリット、デメリット等はあまり書かれていないので、自信はないのですが、私的に考えたという事として、以下を読んで頂けたらと思います。

スライドバルブは、スライドするバルブ体は箱状で、それを覆うケースにボイラーからの蒸気が供給されて、スライドバルブ体を押さえつけながら、スライドする構造になっています。
ですから、スライドバルブ体は蒸気の圧力が高ければその分押さえつける力が強くなり、動作抵抗も大きくなります。また、この抵抗は高速運転では高速な動作を妨げる事となります。

それに対して、ピストンバルブは、バルブ体がシリンダ内を動くので、動作には抵抗が無く、高圧や高速の場合も特にデメリットがありませんので、その辺りがスライドバルブとの違いでしょうか。

ただ、スライドバルブでは、蒸気の供給が無くなればスライドバルブ体を押さえつける力が無くなるので、惰性で走る場合はバルブ体が浮き上がって問題ないのですが、ピストンバルブはそういう事が無く、空気弁やバイパス弁を付ける必要があります。また過熱蒸気ではスライドバルブは給油が難しいようで、過熱機関車は例外なくピストンバルブのようです。

蛇足で、今思いついたのですが、この機関車のピストンバルブがスライドバルブより奥になっている理由ですが、スライドバルブはボイラからの吸気がバルブ体の周りのケースで、シリンダへの排気は外側から行われますが、ピストンバルブは前後2個のピストンの間から吸気されるので、スライドバルブとピストンバルブは逆の動作になります。
というわけで、スティーブンスン式弁装置は、アメリカ式の場合ロッカーアームで動作を逆にしていますが、ピストンバルブはこれでは逆の動きになってしまうので、ロッカーアームを使わず、イギリス等の内側バルブの様にバルブギヤから直接動作を伝える事になるので、台枠より外にするのが困難なのでこのように奥まったと考えられます。本文に書いた距離を縮めるためというのはあまり意味がないように思いますね。

投稿: クラーケン | 2014年2月17日 (月) 02時48分

ひからび様
広告か何かわからないコメントでしたが、削除しました。ちょいちょいこういうのが来るようになったという事は、このブログも有名になったんでしょうか?

まだ今のところは、こういうのは少ないので、せっかく頂くコメントを承認してからというのはしないでおこうと思っています。

アメリカ製の機関車の台枠は華奢ですねぇ。
図面では、シリンダ後部の台枠の断面が角棒状というのは分かっていましたが、1/80で1.2mm程度の角線というのはどうにも信じられませんでしたが、写真等でも確認したので間違いないです。
アメリカタイプの考え方は、強度の主体はボイラーという事で、煙室とシリンダ鋳物を強固に固定しているだけで、それ以外は薄板やリンクでつながっているだけで、ボイラーの熱膨張に対応していますが、頼りないですね。

投稿: クラーケン | 2014年2月17日 (月) 02時59分

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