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2014年1月25日 (土)

一枚の図面から 13 950という機関車

私が住む神戸という町は、神戸駅を境として東は東海道本線、西は山陽本線と、日本の幹線の境界がありますが、境界は明治時代から変わらず、現在の東海道本線は官設鉄道、西は山陽鉄道という私鉄だったんです。

この山陽鉄道は、元々神戸の隣の兵庫を起点としていましたが、相互乗り入れを実現するため、開業後に神戸まで延長されました、そして西は、馬関、現在の下関まで、私鉄が自力で建設した大私鉄だったんですよ。

その山陽鉄道で、比較的短い区間で、高速旅客列車を牽いていたのが、今回紹介する950と言う機関車です。950と言うのは国に買収されてからの形式で、山陽鉄道時代は、10型の41-50号、10両の仲間が居りました。

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当時最大クラスの1524mmの大動輪を持ち、走行性能を確保するために先従輪を持っています。

前後進共、走行性能は良く、終点で機関車の方向を換える事無く最短時間で折り返し運転が可能で、大動輪を生かした高速性能で、現在の快速列車のような使い方が出来る、魅力あふれる機関車です。

この機関車の図面は、古くから、中尾豊氏の模型化図面が有名(蒸気機関車スタイルブック等)ですが、今回は、この図面の元になった物を紹介しようと思います。

先ずは原形

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この図面は、鷹取工場がBaldwinの図面をトレースした物と思われます。

そして、後年空気ブレーキに改造した図面です。これも鷹取工場の図面で、この図面1枚で全ての工事をした様です。

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この時の写真です。

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私はあまり格好良いとは思いませんが、このタイプが好きとおっしゃる人もかなり居られるようです。

この機関車は国有後の1910年代中ごろから、現在の大阪環状線の東半分、城東線、大阪-天王寺間の運転に充てられ、ボギー客車5両を牽いて、当時の中間駅6駅に各駅停車で20分で走っていたそうです、今は駅が増えていますが21分ほど掛かりますので、蒸気機関車でこの速度で走っていたんですから、すごいですねぇ。

1930年(昭和5年)頃に1070等に後を譲って引退しました、そして1933年に電化されます。この電化までは城東線に1000や1070、片町線は6120改造の1060と、元特急用機関車改造の大動輪の者たちが木造客車を牽いて活躍していたんです。

そんな時代を模型で再現するのも楽しいですね。

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コメント

従輪の左右動の有無が気になりますが、軸受部分の詳細図面はお持ちでしょうか?
(左右動が有ると蛇行動が激しいかと思われますが)

投稿: たかひろ | 2014年7月 7日 (月) 11時52分

たかひろ様
金田さんの「日本蒸気機関車史 私設鉄道編1」の記述では従輪は左右動を許していると書かれていますが、その根拠は、私は知りません。
図面は原形と空制の組立図を持っているだけで、組立図からは従輪が横に動くようになっているかどうか分かりませんが、イコライザーが台枠を挟む一般的な構造で、横に動けるようには見えないので、もしも動いても数ミリのオーダーだったんではないかと考えています。
この機関車は高速用なので、軸距離が短くて従輪まで横に動けば左右のふらつきが機関車の挙動に大きく影響しそうですね。

投稿: クラーケン | 2014年7月 7日 (月) 20時01分

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