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2013年12月26日 (木)

一枚の図面から 8 3軸貨車トキ900の下周り

3軸貨車は貨車に限らず、日本では種類が少ないので興味ある人は多いかと思いますが、軸受周りの構造は意外に知られていないようです。

私が持っている資料から、この軸受周りを検証していきたいと思います。

先ずは全体図。

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台枠図。

900_l

そして端の走り装置

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端の軸箱守

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そして端の軸箱

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軸箱守の幅22mmに対して、軸箱のスリットの幅は30mm、左右の横動は4mmづつです。

そして中央軸

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中央軸の軸箱守

10c3_vc23645_900_f401

そして中央軸の軸箱

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軸箱守に対して、軸箱はスリットではなく、中心寄りはフリーとなっています。軸箱守の外側と軸箱の受けの隙間は15mmですので、横動は左右とも15mmという事になりますが、実際は車軸と軸受の幅の余裕分がそれに加わります。ただ、それでも車輪のタイヤと軸受けとの隙間が最大で、設計当初は34mmだったのが、最終的に44mmまで広げています。またこれは、端部の軸受では28mmで、実際には最大そこまで横動をする可能性があったという事ですね。

端部と中央は逆の動きになるので、端部の軸受の横動も加えると、本来の設計値は4+15=19mm、軸受とタイヤの隙間は端部28mm、中央部44mmなので、5mm余裕分と考えると、28-5+44-5=62mm、まぁこの辺りが限界値という事になるかと思われます。

簡単に計算してみると線路半径は61018mm、約60mカーブという事ですねぇ。まぁ国鉄には通常はこのようなきついカーブは無いと思われますが、路面を走る鉄道などにはきついカーブもあり、そういう場合の対処かもしれません。

ちなみに横動が19mmの場合は199mなので、やはり軸受と車軸の横動を考えに入れているようです。100mカーブの横動は37.8mm、貨車の場合の設計基準と思われる80mカーブの横動は47.3mmで、当初の中央の軸受とタイヤの隙間の場合に近くなります。

2007年夏、浜松工場の一般開放があったので、このトキ900、実際はチ500からの復元改造ですが、これを見に行ってきました。

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900_4

端部、上の写真の一番向こうの軸です。通常の1段リンクと違ってリンクが鎖状になっています

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中央部

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バネ受けとリンクの長さが、中央部が長いですね。

バネ受けのアップ、端部。

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リンクが横に動いても、外れ内容になっていますね。

そして中央のバネ受け。

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チ時代に、保守もされず、長期間放置されていたようで、板バネが錆びて、間が広がっています。

上周りはこんな感じ。

9002

肝心のアオリ戸等の金具は、単なるフラットバーの下部にパイプ状の物を溶接した物、これは良しとしても、アオリ戸受けは、これもフラットバー下部にパイプ状の物を溶接した物、これは全くひどい。

他の部品も、見た目重視の、歴史を復元するというイギリス等の復元とは次元の違う、子供だましと言える程度の物。せっかくお金を使って復元するのに、わずかなお金をケチって手抜き工事をしたのでは、全体が台無しです。

まぁ、下周りは本物なので、計り知れない価値があるのは間違いない事ですが・・・日本の鉄道会社のこういうケチ臭いやり方は嫌になります。

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コメント

クラーケンさん。

何時も面白い記事、楽しく読んでます。
3軸貨車の横動よくわかりました。

復元については、今の日本役に立たない物には金はかけない。
復元しただけでもましだと思っておかないと。

しかし、復元蒸機のボイラー!
現行のボイラー規格は当時と変わっているので、同じものは出来ないと思うのだが?
そこのところも記事にしてーーーー!
お願い。
それと性能検査は、毎年か2年か?
耐圧検査は常用圧力の1.5倍?
特例があるのか?そこも疑問!
知っていたら教えて!

投稿: ひからび | 2013年12月26日 (木) 21時51分

ひからび様
申しわけない、復元蒸機のボイラーが法的にどうなってるのかは専門外で分かりませーん。
ただ、梅小路の機関車が山口線で走る場合なんかのブレーキに関する規定は車籍が抹消されてないから問題ないというようなことを聞いたことがあります。
一旦廃車されて復元した機関車はキャブの下の空気分配弁なんかに大きなガードが付いてるように思うけど、梅小路の機関車にこの不細工なガードがないのはそのせいかと・・・

投稿: クラーケン | 2013年12月26日 (木) 22時24分

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