« 13mmゲージ 続 禁断の果実 | トップページ | 蒸気機関車リスト »

2013年12月17日 (火)

一冊の本 鉄道史料139号

13mmゲージ・・・というか、鉄道模型のゲージ論って結構関心が高いんですねぇ、アクセスも多く、コメントも多くいただき大感謝です。

さて、今回は新シリーズ、本の話を一席!という訳で、クレーンの本の紹介をしようと思ってたんですが、今日、鉄道史料139号が届きましたので、それの紹介をして、売り上げに貢献できればと思います。

とはいえ、初回からちょっと辛口になった面もありますが・・・・

最近は巻頭になる事が多いDan Free氏の記事は、今回は鉄道錦絵。

冒頭で日本の鉄道研究家が錦絵に関心を示さないと書かれているのですが、金田茂裕氏は著書で機関車研究家としての視点から錦絵を調査された。私も錦絵には少なからず真実が描かれていると考えるけれど、時代背景や版元の都合、絵師のくせや画風の調査等色んな側面から研究する必要があり、多くの錦絵を比較調査する必要があります。

その点で今回の記事は、Dan Free氏所蔵およびスミソニアン博物館、そして神戸市立博物館の錦絵を元にしたようで、広範な調査とは言えないところに弱みがあると言わざるを得ない。

多くの錦絵を見ていくと、絵師のくせが現れる、機関車は当然の事、顕著なのは客車や貨車の書き方、広重は客車を当時の写真にあるものにかなり忠実なモールド車体で、下等車に改造した物も分かるほど写実的で、色は基本的にクリーム色の車体に赤の縁取り、ほとんど例外が無いのに139号P16の様にまっかっかに塗った物は他にはあまりない、P17の国輝は貨車が赤色で客車は薄茶色、国輝は大体この色付けですね、この絵の赤い貨車、今年4月3日の読売新聞でオーストリアの写真家モーザーが写した横浜駅の写真に写っていると話題になりましたね。記事ではこの貨車を改造3等車としているが、当然間違い。他の絵師もこの2例に近い色は割合多いですね。

P11下の機関車は最も特徴的な従台車の存在を無視して5000ではないとしているが、違う根拠が各部の比率だとかフィードポンプとか、勘違いやイメージの把握違いの差程度の点を挙げて全く違う機関車を提示している。

また、P17では鉄道博物館展示の「最古の客車」と呼ばれる客車の修復時に最も内側で発見された緑色云々は、保存されている「最古の客車」が、「最古客車図」を元に作られたレプリカという事を知らないのか、フィクションが書かれている。

大きな間違いと思われるのは、錦絵の色を相当信用していることで、版元の刷師による色使い一つで全然変わってしまう色は、絵師の描写力等と重ね合せて考えるべきで、版元が違えば同じ車両が全く違う色になっていることは珍しい事ではないので、信用してしまうのには慎重になるべきと思う。

ただ、この記事では、錦絵によく出てくる、全く奇妙な、とても機関車とは思えないモチーフの出典が明らかになった事で、まさか試作の消防車だったとは・・・

Dan Free氏の記事で長々と書いてしまいましたが、アメリカ人である同氏が、これほど日本の古い時代の資料を所蔵しているのも驚くけれど、ちょいちょい間違いはあるにしても、これほど古典時代の鉄道に詳しい人も、日本人でも珍しいかと思います。我々日本人も外国の人々に先を越されぬよう頑張らないとと思いますが、この世界は若い人の参入が少なくて・・・・

もちろん筆者の著作を内容に忠実に翻訳するのは当然としても、「鉄道史料」の趣旨では正確さが大事と思うので、別に解説文を入れるべきだと思いました。

次は、湯口徹さんの内燃機関車、足尾のフォードやミルウォーキーのガソリン機関車等、もうこれは盤石で、貴重な図面と写真!私が出る幕などありません。

後半に湯口徹さんがもう一つ、汽車会社の幻の工藤式蒸気動車という記事があり、1067mmゲージの小野田軽便鉄道の物をちょっといじった計画図と言う、私も図面の手書き時代によくやった手法の図面に接して、昔の設計技師に思いをはせることが出来ました。

他にも三井三池の鉄道や、紳有電車テン1の事、阪急の梅田-十三間三複線の資料等、盛りだくさんです。

どうです?欲しくなったでしょ?

|

« 13mmゲージ 続 禁断の果実 | トップページ | 蒸気機関車リスト »

一冊の本」カテゴリの記事

コメント

クラーケンさん、先日はお付き合いありがとうございました。

新しい出先での楽しみ方が見つかりました。
そう、こう言った資料を持って行って、読み漁ること。
模型に出来るか出来ないかは別として、図面を引いて見る事。

やること何ぼでも有ったな!
感謝します。

今日の仕事明けで引き上げます。

投稿: ひからび | 2013年12月17日 (火) 05時36分

ひからび様
こちらこそ、楽しい時間をありがとうございました。

私も昔、長期出張の時などは資料と方眼紙を持っていったものです。
時間が有る時はメカの構想を練るのもいいですよ。

投稿: クラーケン | 2013年12月17日 (火) 11時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1974466/54281729

この記事へのトラックバック一覧です: 一冊の本 鉄道史料139号:

« 13mmゲージ 続 禁断の果実 | トップページ | 蒸気機関車リスト »