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2013年11月12日 (火)

一枚の図面から 1 8250のこと

一枚の写真から話を広げるのも楽しいんですが、図面屋の私、図面に関しても面白い事が書けるかも・・・

第1回は、私にとっての一生に残る大イベントの事を書きます。それは先日コメントを頂いた、銕騎さん(ペンネーム)と「図面資料集成 東武鉄道の蒸気機関車」を昨年発刊した、石島治久さんとのお付き合いから始まります。

銕騎さんが石島さんとのお付き合いで、Baldwinの組立図を南メソジスト大学から入手した、と言う情報をお聞きして、早速そのホームページからリストをダウンロードしました。

リストはpdfだったので、pdfからEXCELに変換するソフトを購入して、ソートをして、目を皿のようにして、日本向けと思われるものを抽出しました。結構ミスタイプも有ったりで日本向けを全部抽出できたかどうか分かりませんが、今まで未見の図面が多くある事に驚きを隠せませんでした。

その中に、金田さんが著書でヴァンダビルト・コルゲイテッド・ファイヤボックスであると書かれた山陽鉄道の112号、後の国鉄8250があるのを見つけました。

ヴァンダビルト・コルゲイテッド・ファイヤボックスは船舶用で使われた火室を機関車用に応用したもので、アメリカのニューヨーク・セントラル鉄道等でわずかな両数が使用されたそうで、コルゲイト板を使った円筒火室で、ステイがほとんど不要で、多くの煙管を付けることが出来るメリットがあります。参考に船舶用のボイラー図面です。

Photo_3

これは構造が違いますが、 この図の下方の波波がこの構造に相当します。

アメリカで十数両に使われただけの物が日本に入っていたと言う事実を、金田さんは煙管サイズと本数だけから、このタイプの火室であると断定したわけで、その慧眼はものすごいと言えますが、今まで何の証拠もなく、本当はどうなのか、大いなる謎だったんです。

そして、その答えが出る日が決まりました。そう、銕騎さんから「荷物が届いた」とお電話が来たんです。もう矢も楯もたまらず、次の日にお伺いする事にしました。

その日、2012年7月8日は、私にとって忘れられない日になりました。

銕騎さんのお宅へは私とハタボーさんとO君の3人で伺いました、銕騎さんははやる気持ちをを押さえてまだ中身を見ていないとの事です。

組立図は60枚ほど、部品図は50枚ちょっと、1枚1枚開く度に「うおーーー!!」と言う感じです。

熱海軽便1は棒台枠ではなく板台枠、台湾のB6の「柴田文助」のリヤータンクはへの字ではなく45度の大きな面取り、全く資料がなかった徳山海軍練炭製造所の機関車他、初めて見る組立図の連続です。

そして8250!

Blw_8250_111112_4364l50_3

火室部分アップ

Blw_8250_111112_4364l50_5 

どうです!!

金田さんは国鉄の形式図を元に、火室の下の台枠は通常の機関車と同様傾斜がある形式図を書きましたが、ここは水平でした、そして火室管板が傾斜している、特異な形状の灰箱等、新たな発見のてんこ盛りです。

しかし、想像で書かれた金田さんの形式図の正確さに、改めて驚かされますねぇ。

やはり日ごろからの知識の集積の賜物だと思います、その境地まで行くのが理想ですが・・・

後日、この図面を基に、近藤一郎さんが形式図を書かれました。

1128250_2

山陽鉄道屈指の大型機!いつかは作ってみたい!!!!

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一枚の図面から」カテゴリの記事

コメント

日本向けのパンタ付きはおませんでした?(^o^;)

投稿: ヘボ職人 | 2013年11月13日 (水) 08時29分

素性不明の電気機関車の図面が1枚ありました。
次回の「一枚の図面から 」に載せるので、素性を明かしてね。

投稿: クラーケン | 2013年11月13日 (水) 08時48分

おお!凄いです。このクラスのモーガルは大好きです。生きているうちに作ってみたいです。しかし、組立図はある意味では毒ですね。どこを省略して模型化したらよいかわからなくなります。ハタ坊さんのOJなら文句なく全部作るのですけれど・・・。そう言う意味では、金田図があれば十分なのかも知れません。また色々教えて下さい!

投稿: コン | 2013年11月13日 (水) 20時48分

コン様
コメントありがとうございます。
BLW関係のモーガルは8250の他に、7300,7500,8150,8350,8450があります。
山陽鉄道の兄弟機、8350,8450もぜひ作ってみたい機関車ですが、手が遅いのでいつになりますやら・・・

投稿: クラーケン | 2013年11月13日 (水) 20時54分

8250形ですが、火室後板とテンダー炭庫前面との間隔が近藤氏形式図(比例)で940mm程度しかなく、狭いといわれるE10形の1155㎜(すくい口先端~焚口)より約200㎜も近いことから見て、重油専焼であったことは考えられませんか?
山陽鉄道には1899年より重油専焼に取り組んだ歴史もあるようです
一般的に円筒火室は火格子幅が狭くなるのと灰落としに不便とのデメリットがあり、石炭焚きよりも重油専焼に適するというのが米国あたりの見解です

投稿: たかひろ | 2014年7月 6日 (日) 22時38分

たかひろ様
ヴァンダビルト・コルゲイテッド・ファイヤボックスは以前から謎の多いもので、その一番の謎が、石炭焚きの場合の火格子と灰の処理です。
図面では小型の灰箱を確認しましたが火格子はどのような物か未確認です。
もちろん、重油専燃あるいは微粉炭も考えたのですが、下記の図面に炭水車が書かれていて、それが通常の物なんです。
2014年5月3日一枚の図面から 25 メーカーの提案図面 4http://kraken.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/25-4-b1e1.html
計画図なので、重油専燃ならこの段階で説明する必要があると思われるので、この段階では通常の石炭焚きで、後に重油専燃に改造すると言う事も考えたかもしれませんが、そのあたりの資料がありません。
火室と炭水車が近すぎるのは、転車台や機回し時の有効長等の関係で、機関車全体を伸ばすことが出来なかったんじゃないかと思うのですがいかがでしょう。

投稿: クラーケン | 2014年7月 6日 (日) 23時19分

別信にて円筒火室の火格子の一例を送りますので適宜掲載願います
計画図に比べて灰箱が貧弱で灰の取り出し口が若干上向きなのと、山陽鉄道の進取性に期待したためで、重油専燃の確たる根拠はありません
微粉炭焚きは粉砕機だの分離機だの送風機だのと付帯装置が大変なのでまず考えられません
金田氏が自著に書いておられた「メカニカルストーカー」の根拠が知りたいものです

投稿: たかひろ | 2014年7月 7日 (月) 12時25分

たかひろ様
図面ありがとうございました。
頂いた図面では、火格子の下に十分な広さの穴があって燃えがらや灰を落とす事が十分考えられているように思います。
8250は一部にコルゲートが無い所があり、その下が灰箱になっているので、同様の構造のようにも思えるのですが、それは火室の後半でしかなく、前方は前の方にパイプが出ているだけなんです。ひょっとすると火格子は後半だけで、前半は燃焼室の様な使い方かと思ったりしますが、空想の世界です。
微粉炭焚きは何かで読んだように思いますが何だったか記憶がありませんが、後に台湾で実験をしているので、可能性が無いとは思えないんですよ。

投稿: クラーケン | 2014年7月 7日 (月) 20時14分

微粉炭焚きボイラーは1917年米国に於けるものが世界初とされており、台湾総督府鉄道のも1920年の導入ですから、8250形の時点(1903年)では構想すら無かったのではないでしょうか
(ヘンシェル製の図を別途送信します)

投稿: たかひろ | 2014年7月 7日 (月) 21時26分

そうでしたか、いい加減な記憶はやはりだめですねぇ。

投稿: クラーケン | 2014年7月 7日 (月) 21時30分

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